パリ在住の日本人が、日本食レストランが軒を連ねるサンタンヌ通りを歩いていた。

と、人の良さそうな外人から道を訊かれたので教えてやった。その瞬間、後ろにいた人物にズボンの尻ポケットの携帯電話を抜かれたとのこと。つまりは、道を尋ねた人間と二人組のスリだったのである。

日本のテレビの時代劇のように、悪人が悪役面をしていてくれれば一番分かりやすいのだが、こちらのスリや詐欺師は分業で、獲物をひっかける役割の人間はいかにも人の良さそうなゑびす顔をして釣針にかかるおめでたい鯛を待っているのである。

くれぐれもご用心を。


※本記事は｢国際観光振興会 海外旅行情報｣より転載致しました。