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フランス [ French Republic (France) ]

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好調な仏のグリーン・ツーリズム

掲載日時:0000年00月00日

情報提供:JNTO パリ事務所

" フランスにおけるグリーンツーリズム(アウトドア観光)は年々活況を呈しており、夏の訪れとともに、7、8月をピークにして都市から地方への大移動が始まる。新鮮な空気を吸い、スポーツや白然に親しみ、別荘や民宿で人々と会話や食に楽しむ、という旅行スタイルはもともと70年代のヒッピームーブメントから始まったグリーンツーリズムだが、現在は広く一般に定着した。現在、フランスのバカンス客の36%が滞在先に田舎を選び、観光収入の21%(99年は7,000億FF)を占めるに至った。一万、滞在先の70%が仏全土のたった20%以下の特定の地域に集中していることもアンケート調査から明らかになっている。

 グリーンツーリズム市場の拡大により、キャンピングカーやアウトドアスポーツ用品といった新たな産業が派生し、前者は市場規模100億FF(15億ユーロ)2000年は前年に比べ25%も売り上げがアップ、年間販売台数は1万台を超えている。アウトドアスポーツ用品99年に40億FFだったのが2000年は50億FFに急増している。

 ところで、昨年12月に各地で被害をもたらした暴風雨災害では、各地の観光地が大きな被害を被った。このため、仏政府は今年度に対前年比171%増の3,000億FFの予算を特別に計上し、地方の観光整備に当てる予定だ。森林における倒木被害の整備、GR(国営ハイキングコース)の再整備、キャンプ場や農村滞在施設の修復等に使われる。また、暴風雨と同時期に発生したタンカー船舶「エリカ号」の油流出事故の事後処理として、被害を受けた海岸地方の自治体復興対策に40億FFが計上される。この2つの復興特別予算のうち、4億200万FFが観光部門に充てられる。

 グリーンツーリズムの定義は、田舎での、アウトドア体験を含めた滞在型バカンスと言えるが、ハイキングや山歩きの他にも、植木で作った屋外迷路(ロット県他)や農村滞在(ラングドック・ルシヨン地方)等地元が仕掛けるタイプもある。農村滞在では、地元の農家3,000軒がー体となってキャンペーンを行ったり、コルシカ島では山・海・村を組み合わせたハイキングコースを設定しPRに活用している。

 グリーンツーリズムにマッチした、「ジット(民宿)・ドゥ・ラ・フランス」というフランスの民宿組合には55,000軒が加盟しており、ベッド数はのべ33万床、150万の全床数の36%を占めている。ジット・ドゥ・ラ・フランスでは、プロモーション用に各国語のガイドブックを200万部発行している他、インターネット上の予約も受け付けている。また、乗馬や釣、山、マウンテンバイクなど、テーマごとのジットでのバカンスを提案している。年間のジット利用客数は200万人に上りその半数は企業の上級管理職や自由業者で占める。

 ジットの他、キャンピング利用者も好調で、例えば南仏のガール県のキャンプ場「プチ・カマルグ」では、バカンス開始時期の予約は既に一杯で、10月15日までのシーズン中に11,OOO人という集客目標は既に達成された。

 同じく南仏のヴァール県では、観光客の利用宿泊施設の60%がキャンプ場を使用している。キャンプ場とはいっても、施設の充実した3つ星、4つ星クラスの施設も近年人気を集めており、過去4年で売上げは2割アップ、家族連れに好評である。

 アウトドア観光で最近人気が高いのがマウンテンバイクである。フランス自転車観光連盟には11万5,000人が加入し、3,100のクラブが存在する。同連盟では、サイクリング愛好者用に、一箇所滞在型、移動型のツアーや週決め、月決めのツアー、国内外の豊富なデスティネーションや素泊りから3食付のパッケージ等、様々な商品を揃えている。"