【渡航先速報】アイスランド / レイキャネス半島、火山情報 (11/12 20:00現在)

アイスランド / レイキャネス半島、火山情報 (11/12 20:00現在)

掲載日時：2023年11月13日

アイスランド気象庁の見解では、その後急速に溶岩脈の水平方向への貫入が進行し、北はKalfafellsheidiの辺りから南はAlfadalsvikのエリアを越えた海底に至るまで１５ｋｍの長さになり、溶岩が地表に向けて上昇を始め、最も近い所では地表から１.５ｋｍのレベルまで来ております。

** Significant likelihood of a volcanic eruption in the coming days / News
　Icelandic Meteorological office (vedur.is)
　https://en.vedur.is/about-imo/news/a-seismic-swarm-started-north-of-grindavik-last-night

この１５ｋｍわたる溶岩回廊のエリアに３,８００人が居住していたグリンダヴィークの町、ブルーラグーン、シリカホテル、リトリート、ノーザンライトイン、そしてスヴァルツエンギ地熱発電所等があるため、国を挙げ有事に向けた対応準備が進められております。
グリンダヴィークの住民避難は速やかに完了し、一部家畜やペットの移動が本日行われました。

昨日、現地で報じられた専門家のコメントを以下に記載いたします。

* 地球物理学教授・Magnus氏のコメント (要約)
→ 地下のマグマのトンネルへの溶岩の水平貫入がさらに急速に進み、満タンとなり、今後何時、どの程度、どのように地表に噴出し、流れ出すのか予測ができない状況となった。

* 地質学教授の・Pall氏のコメント (要約)
→ 地下でマグマが形成・拡大している。マグマの回廊は海に向け１０㎞の長さ。
　グリンダヴィークの最西端のエリアから南西のAlfadalsvikのエリアに至る。
　昨夜の大きな地震以降、マグマの回廊が、グリンダヴィークのエリアから海の方向に伸び始めた。
　規模とエネルギーの強度からすると地表への噴出が想定されるが、どこでどれだけ大きな裂け目ができるのか現時点で予測ができない」

---
なお当地では昨日同様、溶岩の噴出の可能性が高まって来たことからAviation Color Codeがオレンジに引き上げられておりますが、現在のところ今回も噴火時、大規模な火山灰の噴出は想定されてないため、航空機の運航には甚大な影響は出ないものと予測されております。
** Aviation colour code map / Volcanic hazards
　Icelandic Meteorological office (vedur.is)
　https://en.vedur.is/weather/aviation/volcanic-hazards/

しかしながら、溶岩回廊が昨日の想定よりも遥かに北に伸び、首都・レイキャビクと空港を結ぶ一本道の４１号線まで１０ｋｍ弱のエリアまで来ておりますので、今後の情勢を継続注視し、有事に向けた準備を検討してまいります。

このような状況下ですが、ブルーラグーンやノーサンライトインは２０２３年１１月１６日まで営業停止を決め、ブルーラグーンへのツアーは全て中止となっているものの、それ以外の現地のツアーは全て平常通り催行されており、現地時間１１月１２日の夜もオーロラハンティングに多数のバスが出発する予定です。

なお、噴火の可能性がある現地に２４時間のライブカメラが設置されましたので、以下にそのリンクをお知らせいたします。
** (637) Grindavik - Sylingafell - Sudur - YouTube
　https://www.youtube.com/watch?v=Qvw5qh5K4wI

なお、現地１１月１０日夜、在アイスランド日本大使館から以下の情報が発信されておりますので、あわせてご確認ください。
現在アイスランドにご滞在中の方、また近日中にご旅行をご予定の方は、最新情報に十分ご注意ください。

【注意喚起】警戒情報の発出

グリンダビークの北(温泉施設ブルーラグーン近隣地域)で強い地震が連続して観測され、火山噴火の危険性がより一層の高まりを見せていることから、１１月１０日、国家安全保障局は国民保護のためにレイキャネス半島全域に警戒情報を発出しました。

現時点では避難などの具体的措置は発表されていないものの、対象地域に滞在している方は、アイスランド政府等の発表を注視し、その指示に従って行動してください。なお現在グリンダビークに通ずる道路は、地震による亀裂が発生し封鎖されているとの情報が入っています。

首都レイキャビクにおいても強い地震が頻発しています。海外の建物は日本の建物とは違い、十分な耐震構造とはなっていない可能性も考えられます。海外における地震時の対応は、日本における対応とは異なる場合がありますので、国家安全保障局や消防当局などアイスランド政府が推奨する対応を心がけてください。

* 警戒情報の発出
　https://www.almannavarnir.is/frettir/haettustig-almannavarna-vegna-akafrar-jardskjalftahrinu-vid-sundhnjukagiga/
* レイキャネス半島における地震・火山活動について
　https://reykjanes.almannavarnir.is/en
* 地震時の対応
　https://www.almannavarnir.is/english/preventive-measures/earthquakes-duck-cover-hold/

※在アイスランド日本国大使館領事部 (Consular Section, Embassy of Japan in Iceland)
　住所: Laugavegur 182, 105 Reykjavik

当サイトに掲載されている記事・写真の無断転写・複製を禁じます。すべての著作権は、OTOAまたは情報提供者に帰属します。
弊会では、当サイトの掲載情報に関するお問合せ・ご質問、又、個人的なご質問やご相談は一切受け付けておりません。あらかじめご了承下さい。