"　先ずは貴方の安全に対するイメージを改めていただきたい。

　ヨーロッパはアメリカにくらべると、ロンドンのお巡りさんから連想されるように、治安がいいように思っている人が多いが、犯罪統計を見ると、確かに銃火器を使用した重犯罪こそアメリカの方が発生率は段突に高いものの、スリ窃盗などの軽犯罪はパリ、ロンドン等ローロッパの主要都市の方がニューヨークよりも発生率が高いというのが現実なのである。

　事実、パリ観光宣伝事務所においても、日本からの派遣職員全員が、既遂、未遂の別はあるものの、スリ等の洗礼を受けており、スリや引ったくりは日常茶飯事の感がある。

　そうなると、スリ等への対策も日頃から講じておく必要があり、例えば、カバンのファスナーなどにも小型の南京錠などの鍵をかけておくのは非常に効果的である。また、ウエストボーチを腰に巻き貴重品を携帯している日本人旅行者を多く見かけるが、これもそのファスナーに鍵をかけるようにしておいた方がよいのは言うまでもない。また、ウエストポーチのベルトを切ってポーチごとかっさらう手口もあるので、ポーチの裏側に筒状の布を縫い付け、そこにズボンのベルトを遇すようにすると、簡単にはひったくられない。

　こうした対策は、しかし、カバンやポーチを開けるのに手間どったり、トイレゃセキュリティ・チェックの際に不便になるのだが、考えてみれば、当人にも開けにくいカバン類は、当然スリにも開lナにくいわけであり、トラブルに泣かないためにはその程度の不便は忍ぶしかないのではなかろうか。"