トロント市内にある高級ホテル「フェアモント・ロイヤル・ヨークホテル」では、この度、環境プログラムの一環としてホテル屋上に「オーガニック・ハーブガーデン」を造園しました。
現在はハーブの他、茄子、ベリー類、果樹、食用花等を栽培し、新鮮な食材をホテル内レストランで提供しています。

この様な試みは、個人経営のホテルでは近年増える傾向にありますが、カナダ国内のみならず、世界的に展開している大規模ホテル・チェーンとしては、世界初の試みといえます。
同ホテルの取り組みが注目を集めた事で、トロント市内のシェフ達の間で、仲介者なしに食材生産者と直接交渉し、より良い食材を選ぶという仕入れ方法がにわかに見直される様になりました。
この仕入れ方法では、輸送料のコストダウン、それに伴う二酸化炭素排出量の低下が期待され、地元産業の振興にも一役買っており、オンタリオ州農務省も推奨しています。

オンタリオ州は、カナダ国内でも有数のワイナリーを擁する事もあり、食に対する意識が高いといわれています。ワイナリー併設のレストラン、及び周辺レストランでは「１００キロ・メニュー」も登場し、レストランのある場所から半径１００ｋｍ以内で収穫された食材のみを使用したメニューや、オンタリオ産食材のみを使用したメニュー等を扱うレストランも増えています。

「シェフにとって自分のハーブガーデンを持つ事は夢であり、その様なオアシスがホテルの屋上にある事は素晴らしい事です。又、ホテル敷地内で育てた食材を提供するのは都会のホテルとして初めての事。今後はハチミツ等も採取したいと考えます」(フェアモント・ロイヤル・ヨークホテルのエグゼクティブ・シェフ、デイビッド・ガーセロン氏のコメント)