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アメリカの常識は日本の非常識 … 訴訟社会の恐ろしさを知っておこう

掲載日時:0000年00月00日

情報提供:JNTO ロサンゼルス事務所

" サンディエゴの警察署のクレイム担当から照会の電話;
 スピード違反の日本人女性の車を停めたところ、国際運転免許証を携帯していた。その警官が国際免許の知識がなく、スピード違反に加えて免許不携帯のキップも切ってしまったという。
国際免許証の正当性について説明したにもかかわらず取り合ってもらえなかった運転者は憤慨してサンディエゴ市にクレームをぶつけた由。市からの照会を受けた警察は以下のような質問をしてきた。

Q: アメリカで運転する際に国際免許証および日本国内の免許証を一緒に携帯する必要があり はしないか?

A: 必要はない旨回答。

Q: 彼女の米国滞在のステイタスは国際免許証といかなる関係がありや?

A: アメリカに合法滞在資格のあるパスポート所持者であれば、有効な免許証所持の上運転しているのであれば何ら問題はない旨回答。

Q: 当該免許証の正当性をどこで確認すればよいか?

A: 日本領事館で確認できる旨回答。

 この担当官は訴訟沙汰になる前に解決したいと言っていたが、そのために何とか彼女の側に落ち度を見つけたいようであった。被害者でありながら、いつの間にか加害者に仕立てあげられて、おまけに過大な賠償金をむしりとられてしまうというのが、ご当地アメリカの訴訟社会の実態である。上記のケースでは、そうした訴訟社会のなかで一警官の失点により痛い目に遭うのを極力避けようとする警察側の意図が見え見えな照会ではあった。

 話が訴訟社会のことになってしまったが、日本の常識では考えられないことがまかり通っているこちらの事情について少しく敷衍して見たい。前記のケースの日本人ドライバーの場合はたまたま知識のない警官にいわれのない反則切符を切られて迷惑を被ったにとどまっただけで済んだのだが、場合によっては悪い相手との事故に巻き込まれた場合、こちらサイドに理があっても、相手が、民事訴訟で食べているアンビュランス・チェイサー(救急車の追っかけ屋といわれるチンピラ弁護士)と組んで訴訟になった場合、こちらが被害者であっても少しでも小金を持っているとなると、白を黒と言い掛かりをつけられた揚げ句、とんでもない金額をむしり取られる事になる。

 車がないと暮らしていかれない、ここカリフォルニア州ではエスニックの無産者がスクラップ屋でも敬遠するポンコツ車を、しかも無保険・無免許で乗り回しており、こうした手合いとのトラブルに万一巻き込まれたなら一大事である。こちらの車をダメにされた上、相手の車の同乗者の怪我の補償まで背負わされるなどは朝飯前。アメリカ、ことにカリフォルニア辺りでチンピラ弁護士を相手にするということは、日本でいえば闇社会の紳士を相手にするのと同じと言ったらお分かり頂けるだろうか。

 気軽にレンタカーで走り回る日本人旅行者の方は、日本の常識は通用しないということをしっかりと理解しておいていただきたいものである。

(訴訟社会の実態については原隆之著“アメリカ人はなぜ明るいか”(宝島新書)を参考にしました)"

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