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メキシコ / メキシコの鉄人が行く! 旅日記 〜 Super Fiesta 400 = 日墨交流400周年 〜 その5

掲載日時:2009年08月28日

情報提供:株式会社メキシコ観光

★その5 --- 「聖人」の運不運は、時代で決まる?

※その1〜4は、下記サイトにてご覧下さい。
 その1 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=15394
 その2 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=15541
 その3 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=16047
 その4 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=16246


前号では、同じ「聖人」でも宣教師 ザビエルは織田信長が天下を掌握する時代に日本に来たことが「幸運」に、一方、メキシコ人 聖フェリペ・デ・へススは豊臣秀吉が天下を掌握する時代に日本来たことで「不運」な方向に転んだと記しましたが、出会った時代で運不運が決まるとはどういう事なのでしょう?
それをこれからご説明いたしましょう。

まず「幸運」な時代に日本にやって来た宣教師 ザビエルですが、その時代をみてみると大変な「南蛮ブーム」であった事がわかります。
ザビエルがわが国に初めてキリスト教を伝えたとされる1549年からさかのぼること6年、1543年に種子島へポルトガル人から「火縄銃」が伝来しています。これは日本にとって初めての西洋との出会いでありました。
当時の火縄銃は、現在に置き換えて考えると「ミサイル爆弾」に匹敵するほど、刀や槍を使った戦をしていた時代には画期的なものでありました。
この旧来の戦法を大革新し、火縄銃を駆使した戦法で日本最強と言われた武田軍を長篠で打ち破り、その後、天下に号令をかける地位まで一気に上り詰めたのが織田信長であることは良く知られるところです。

西洋からの品、いわゆる舶来品は火縄銃ばかりでなく、羅針盤や時計、望遠鏡などの先端機器が、宣教師たちからもたらされたのです。織田信長は、かなり南蛮にハマッていたようで、ワインを飲み、ビロードのマント、フエルト帽の、西洋人コスプレを好んでいたようです。
しかし彼の南蛮オタクには、好みを超える政治的目的があったのです。そう、それは、天下を統一する上で目の上のタンコブ、大障害となっている仏教勢力「石山本願寺」を中心とする一向一揆衆の壊滅にありました。

彼がキリスト教の布教を認めたのは、全国の農民を中心とする宗教的自治 一向一揆衆が信者数を増やし一揆の拡大によって戦国大名と派遣を争う存在にまで成長を遂げたこの大宗教組織が、織田信長が推し進める「天下統一」を妨害しようとするのをキリスト教で押さえ込もうとしたのです。
こんな時代の初めに来日したのが宣教師 ザビエルなのです。これはまさにラッキーと言わずにはいられませんね。

ところが1582年、織田信長は「本能寺の変」で歴史から姿を消してしまいます。、ところが、彼によって衰退した仏教勢力衰退を手放しでは喜べない事態が発生したのです。仏教に代わり、人々の間にキリスト教が猛烈な勢いで浸透し始めたのです。
西洋に政治的に征服されているのであれば国民の力で崩す事は出来るでしょうが、その国民がキリスト教によって精神的に征服されてしまったのでは、はなから抵抗が起きるはずもなく、再びあの宗教を背景にした戦いを余儀なくされるのでは? そう豊臣秀吉は「キリスト教の普及はまずい」と直感したに違いないでしょう。

しかし鎖国し南蛮人を追いしてしまうと、莫大な利益を生み出していた南蛮貿易も無になってしまうため、豊臣秀吉は「伴天連追放令」を出し、キリスト教を弾圧することにしたのです。そんな時代に、運悪くメキシコ人 フェリペ・デ・へススが日本に来てしまったのです。
豊臣秀吉は、その本気度を世の中に示すため=パフォーマンスが必要であったためか、彼の処刑を命じたのです。ザビエルとは違ってアンラッキーとしか言いようがありません。伴天連が十字架に掛けられ、処刑される図は、間違いなくインパクトがあったのでしょう。この刑場には外出禁止例が出ていたにもかかわらず、近所から4千人以上が集まったと伝えられるほど。
そんな人々の口から口へ、メキシコ人 聖フェリペ・デ・へススは殉教することで「聖人」として日本から世界に広まっていったのです。


その6に続きます。 どうぞお楽しみに!!!



(この記事は、メキシコ国立自治大学(UNAM大学) 教授 田中都紀代様がご寄稿くださいました)

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