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メキシコ / メキシコの鉄人が行く! 旅日記 〜 Super Fiesta 400 = 日墨交流400周年 〜 その8

掲載日時:2009年12月18日

情報提供:株式会社メキシコ観光

★その8 --- フィリピン総督メキシコ人 ビベロ伯爵の「日本男性観」

※その1〜7は、下記サイトにてご覧下さい。
 その1 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=15394
 その2 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=15541
 その3 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=16047
 その4 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=16246
 その5 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=16382
 その6 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=16677
 その7 http://www.otoa.com/news_detail.php?id=16838


前号では、今から400年ほど前、江戸中がメキシコ人 ビベロ伯爵を一目見ようと、多くの人が殺到した事を記しました。
一方のビベロ伯爵は、当時の日本人をどう見ていたかを、彼の「日本見聞記」から抜粋してみましょう。(かなりショッキングな内容ですが、悪しからず)

* 日本の男性は深酒をする悪い習慣がある。これが他の害に及ぶ。
 自分の妻だけでは飽き足らず、時には100人を超す女性と関係を持つ。そのような女性が多数存在する。
* 日本人は好戦的で勇敢である。火縄銃を巧みにあやつり、命中率はかなり良いものの操作は遅い。
 大砲モ保有しているがその数は少なく、扱いも稚拙。
* 今はどの国とも戦いはしていないが、戦時には主君の下に一致団結する。
 かつて大国 中国が日本の国力を推し量るために挑戦してきた時には、日本はその底力を遺憾なく発揮した。
* 日本国民は勇敢であるが傲慢である。その理由は戦場で戦っている姿は勇敢であるが、日常犯罪を犯して死刑の宣告を受けた場合、これに服せず自殺の手段をあえて選ぶ。(いわゆる切腹のこと)
 これは身分ある者の当然の行為とされており、その現場には証人として、親戚や友人、武士を招き、己の勇敢さを示すために神を恐れず、中腹を切る。
 列席した者も、この野蛮にして獣的行為を賞賛する。

切腹を「神を恐れず、野蛮にして獣的行為」と言っている理由は、キリスト教では神から授かった命を自ら絶つ自殺は大罪とされているためです。その上それを「賞賛する」などといった行為は、神への冒涜と映ったのでしょう。

これは、人間の道徳的価値観は、時代や信仰によって大きく異なるという一例であって、ビベロ伯爵が日本に対し特別な悪意を持っていた訳ではありません。その証拠に、彼は「もし、神への信仰が存在し、私がスペイン国王の家臣でなかったら、私の祖国はこの国になっていたかもしれない」と言っている事からも伺えます。

ここまで書いておきながら、ひょっとするとこの観察はビベロ伯爵の実際の体験に基づくものではなく、ルイス・ソテロ神父の説明を受けて述べたのではないかという気がしてまいりました。
フランシスコ会 ルイス・ソテロ神父は、ビベロ伯爵が日本に漂着する1609年より6年前の1603年に来日し、ビベロ伯爵の通訳として働いただけでなく、日西外交交渉協定文の相互翻訳まで依頼された日本語に精通した人物です。
当然ソテロ氏は神父としての仕事柄日本語が出来るので、庶民の生活も良く知っていた事でしょう。
一方のビベロ伯爵は日本語も出来ない上に、わずか一年ほどしか日本に滞在しておらず、またその滞在中もスペイン領 メキシコの高官として、初代将軍 徳川家康公、二代将軍 秀忠公との外交交渉等々に多忙な日々を送っていたはずで、とても日本の庶民の生活まで観察出来なかったと思われるのです。

そしてこのルイス・ソテロ神父の生涯は、劇的です。
詳しい事はここではのべませんが、1613年に伊達家家臣の支倉常長に同行しメキシコとスペインへ向かい、その後1624年に長崎での火刑で、その峻烈な生涯を閉じた人物です。



その9(最終回)に続きます。 どうぞお楽しみに!!!



(この記事は、メキシコ国立自治大学(UNAM大学) 教授 田中都紀代様がご寄稿くださいました)

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