当事務所には、この夏も数多くのスリ被害のニュースが入ってきた。
夏は、手堅い生活者であるパリジャン、パリジェンヌがバカンスでパリを離れるのとは裏腹に土地勘のない外国人観光客や、地方からのおのぼりさんがどっと押し寄せるシーズン。
当然ながらスリにとっても絶好の稼ぎ場と相なる次第。さて、この夏の手口とは。。。

★地下鉄駅のホームで、となりに立っていた男が、急にレーザー光線のようなもので足元の爪先を照らした。
なんだろうと一瞬注意が反らされた瞬間、近付いた仲間が鞄から財布をスクープ。

★地下鉄を降りてエスカレーターで外へ出ようとしていたとき、まさにエスカレーターが終わる直前で、前にいた男がボールペンを落とした。男がそれを拾うと見せて足元をさっとふさぐ、後から別の男がわっと覆いかぶさる。見事な連携プレーで一瞬の混乱。挟まれた当方、気が付いたら尻ポケットから見事に財布が抜かれていた。

こうした手口に見られるように、パリのスリはあの手この手でこちらの気をそらしておいて、その瞬間に仲間が連携プレーするというものが非常に多い。仕掛けるタイミング、仲間同志の連携プレー、まさに場所柄芸術的レベルである。

夏に限ったことではないが、周囲に変わった動きをする者が発生した瞬間、十分に警戒をすることが肝要である。

※本記事は｢国際観光振興会 海外旅行情報｣より転載致しました。