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アメリカ ニューヨーク / 名観光市長 ジュリアーニの8年

掲載日時:2002年04月19日

情報提供:国際観光振興会(JNTO) ニューヨーク事務所

9月11日以後のルドルフ・ジュリアー二は、107代ニューヨーク市長から市の英雄になって勇退の花道を飾った。

世界貿易センタービルディング(WTC)の倒壊現場で下敷きになりそうになったり、各国首脳を爆心地に案内したり、亡くなった警官や消防士の葬儀に、はたまた連日開かれる記者会見に、ヤンキースの試合に、TV番組 サタデーナイトショーに、アメリカン航空機墜落現場にと、神出鬼没、縦横無尽、まさに不眠不休の活躍だった。

事件後直後の記者会見で「ニューヨーク再建のために我々は何をなすべきか」とコメントを求められた彼は、即座に「ここにきてブロードウェイを見て、レストランで食事して金を使ってほしい」と答えた。実際、彼自身もいろいろなレストランに現れ食事をしていた姿が目撃された。ニューヨーク州のパタキ知事と相携えて、お馴染みの「アイラブニューヨーク」キャンペーンを開始したのも彼である。

ニューヨーク市長は東京都知事と違って警察と消防も統括している。東京では殉職した警官の葬儀には警視総監が出席するようだが、ここでは市長が出席する。
警官といえば、実際、元連邦地検検事正出身の彼は、就任後警察官を大幅増員し、CompStatと呼ばれるコンピューターを駆使した手法で要所要所に配置して犯罪撲滅に全力を挙げ、任期中に犯罪件数は52%減少と、治安の改善に大成果を上げた。そして、安全になった街に観光客と企業を呼び込む活動に力を入れた。

観光といえば、ニューヨーク市役所には観光関連の部局がない。代わりに、1,300の民間会員が加盟する独立組織としてニューヨークコンベンションビューローが観光施設の企画、実施をしている。ジュリアー二はここへ自分の腹心を送り込み、前市長時代ゼロだった補助金を6百万ドルに増額、安全になったニューヨークを世界の観光首都としてPRした。

ニューヨーク市の記者発表の席に市長の姿があるのは日常的な光景だった。ニューヨーク訪問者数は1994年から2000年までに800万人増え3,740万人に達した。連れて、関連観光関係雇用者は28万人を数えるまでになった。

また、市長公室内にある職員17名のフィルムコミッションを積極活用して、市内での映画やビデオ撮影を支援させた。作品の種類や監督のキャリアを問わないこの映像芸術支援においてはなんと警察の中にTV映画撮影専門チームがあり、市内での撮影に従事させた。彼白身が映画に出演もしている。今や市内では連日60〜90件のこうした撮影が行われている状況で、それにより78,000人の雇用と5千億円相当の経済効果を創出している。

観光都市ニューヨークの成功は、「集客都市」とか「千客万来都市」を市政の重点課題に掲げる日本の大都市にとっても大きな刺激となった。「観光とは国の光を観る(易経)」ことというが、ジュリアーニはその意義をどの大都市の首長よりも深く理解し、雇用と地域経済への効果に具体化し、ニューヨークの光を世界に輝かした観光市長だった。テロ事件は観光首都演出の監督だった彼自身を世界の檜舞台に押し上げ脚光を当てたといえる。

ジュリアー二は昨年末8年の任期を終え、市政の舞台から退場した。
後任は一代で経済情報帝国『Bloomberg』を築き上げた実業家で、民主党から共和党に鞍替えし65億円という空前の選挙費用を投じて市長選を勝ち抜いたマイケル・ブルーンバーグ氏である。


※本記事は「国際観光振興会 海外旅行情報」より転載致しました。

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