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UAE / イスラム教について−その3

掲載日時:2002年04月24日

情報提供:株式会社ユー・ティ・アイ・ジャパン

今回もイスラム教の聖典=コーランの教えの基本となっている “5柱 − 信仰、礼拝、喜捨、ラマダン、巡礼”、その3つ目の教え『喜捨』について、ご案内致します。


3. 喜捨 (ザカート)

イスラム教徒は、年収の2.5%を金銭もしくは物品で差し出すよう、決められています。
富めるイスラム教徒が貧しいイスラム教徒に金銭や食べ物などを差し出し助ける事により、近隣コミュニティー、ひいてはイスラム教徒同士の結束を深めることができるのです。

ところで以前に、ドバイではない他のイスラムの国で不思議な (?) 体験をしました。
小さな乗合いバスに乗り込み出発を待っていると、太ったとても恰幅のよいおばさんが車内に乗りこんできて、運転席の横で早口のアラビア語で何か叫び始めました。近くにいた人に何を言っているのか聞くと、要するに「私は貧乏で子供に食べさせるものがない、だからお金をめぐんでくれ」と言っているとのことでした。

大演説の後、そのおばさんは一番後ろの席から順番に立ちはだかり、無言のプレッシャーを与える事によって、まず、一人目の乗客からお金を得ることに成功しました。
そこまではよかったのです。でも、えっ? と思ったのはその後でした。
おばさんはそのお金を差し出した乗客に「ありがとう、と言え」と言い、その乗客はというとちょっとムッとした顔をしつつも「ありがとう」と言いました。
お金を貰った方が感謝の意を示すなら理解できますが、お金を差し出した方にありがとうと言わせる、そのこころは?
その後も同じような事が何人かに繰り返され、ついに私の席の前におばさんが立ちはだかりました。今でも覚えていますが、おばさんは外国人である私を見て一瞬どうしようか迷ったようでしたが、やはり同じように手を差し出し、私も周囲の人がみんなお金を差し出す中、私だけが出さないわけにはいかないような気がして小銭を差し出しました。

(おばさんの迫力に負けたのも理由の一つですが)そしてやはり言われました、「ありがとうと、言え」。さすがに面と向かって言われるとムッとしてしまい無言でいる私に、オバサンはアラビア語でなにかまくしたて、次の乗客へと移動していきました。
おばさんが大きな体を揺らしながら別の乗合バスへと去っていった後、再び近くの人にあのおばさんは、私に何を言っていたのかと聞くと、こういうことでした。

* あなたが私にお金を差し出す。
  ↓
* 一種の喜捨となりあなたは私にとても良いことをした。
  ↓
* あなたは私のおかげで善行をすることが出来た。
  ↓
* 良いことをしたのでアッラーが喜んで下さり、あなたは天国に行くことが出来る。
  ↓
* 私のおかげであなたは天国へ行くことが出来る。
  ↓
* だから私に感謝をしなさい。

という内容です。
つまり、お金を差し出す方も善行ですが、お金を貰う方もある意味、善行であるという考え方です。
イスラム教の奥深さ(?)をしみじみと感じた出来事でした。 



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