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フランス的風物詩とフランス的結末…トラックバリケード騒ぎ余聞

掲載日時:0000年00月00日

情報提供:JNTO パリ事務所

" この夏、フランスでは原油価格上昇による経由やガソリンの高騰に反発して、漁業・農業生産者、トラック事業者などが全国各地で抗議行動を展開した。特にトラック事業者は軽油税の減税を政府に求めて、石油精製・貯蔵施設をトラックで何日も道路封鎖するという実力行使に訴えた。対する政府の反応は素早く、軽油税の減額に応じ、実力行使は成功し、今後この動きは欧州各地に飛び火することとなった。

 ジョスパン首相は、このところコルシカ問題で内閣の足並みが乱れるなど失点が続いていたので、2002年の大統領選挙をにらみ、ここで一挙に人気挽回を図ったものと見られている。

 ところで、今回のバリケード騒動にはドライバー組合は参加していない。彼等は契約で所得を保障されており、そもそもがここフランスでは労働者一般の権利は手厚く保護されているのである。

 今回のバリケード騒ぎは、トラック運送業の経営者たちなのである。実力行使が成功し得た裏には、一般大衆の指示があり、大衆は自分のガソリン不足を我慢してまで80%が支持に回るという、何ともフランス的な精神風土のありようを示したのである。トラック業者もそれに応えて、最も効果的な戦術といわれるパリの封鎖を行わなかった。彼等の抗議行動がパリジャン、パリジェンヌの共感を呼んでいると見たからである。そして、そうした大衆の共感を得た抗議には政府も譲歩する以外にすべは無かったのである。

 この国の歴史を見ると、常に大衆の運動が社会を動かしてきていることが良くわかる。1789年のフランス革命しかり、1871年のパリ・コミューンや、近くは1968年の五月危機などである。フランス人民は常に権威と闘ってきた。それは、例えばフランス革命では王家や貴族、宗教等のあらゆる権威が否定され、五月危機ではドゴール大統領の独裁が標的となるという具合で、フランス政府が歴史的に市民運動を無視できない所以なのである。

 今回のトラック騒ぎを見ていると、いかにもフランス的な風物詩であり、その結末が実にフランス的だという感慨を深くした次第である。"

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