毎年１０月末から１１月初旬にかけてメキシコ各地で祝われる「死者の日」(Dia de Muertos)は、季節の移ろいとともにメキシコの伝統に触れることができる特別な旅の機会ではないでしょうか。
街を彩るマリーゴールドや華やかな祭壇、無数のろうそくの灯りに包まれるこの時期は、街全体がカラフルに彩られ、メキシコならではの文化や人々の想いを肌で感じることができる時期になっています。

今回は、伝統とモダンが融合するメキシコの首都・メキシコシティ(Ciudad de Mexico: CDMX)に焦点を当ててご紹介いたします。

■ メキシコシティで楽しむ死者の日
死者の日の期間中(10月末〜?11月初旬)、街全体がオレンジと鮮やかな装飾に包まれます。
大通りには巨大な祭壇やアート作品が設置され、街を歩くだけで祝祭の空気を感じることができます。

１. 壮大な「死者の日パレード」
２０１５年公開の映画「００７ スペクター」の影響を受け、翌年から本格的に開催されるようになった「死者の日パレード」(Desfile de Dia de Muertos)は、今ではメキシコシティの代表的なイベントの一つです。
レフォルマ通り(Paseo de la Reforma)からソカロ広場(Zocalo)にかけて、巨大なカラベラ(ガイコツ)人形やアレブリヘス(カラフルな空想動物)、伝統衣装をまとったダンサーたちが華やかに行進します。
地元の人々だけでなく、世界中から訪れる観光客で賑わい、街全体が一体となる特別な瞬間です。

２. レフォルマ通り
現在、メキシコシティの「レフォルマ通り」(Paseo de la Reforma) では、鮮やかなオレンジ色のマリーゴールド(センパスーチル)が並び、通りを彩っています。昼間は青空の下で花々が鮮やかに映え、夜になるとライトアップされ、昼とはまた違った幻想的な雰囲気をお楽しみいただけます。
また、通り沿いにはアレブリヘスやカラベラ(骸骨)のオブジェなど、色とりどりのアート作品が展示され、散歩をしているだけでも心が弾むような光景が広がります。
芸術と伝統が融合した空間はとても写真映えし、まさにこの季節だけの特別な景色です。

３. 歴史地区に広がる祭壇 (オフレンダ)
ソカロ広場では毎年、壮大なスケールの「オフレンダ」(Ofrenda)が設けられます。
州ごとに異なる文化やアートスタイルを取り入れた展示が並び、夜になるとろうそくやライトアップで幻想的な雰囲気に包まれます。
また、国立宮殿やカテドラルなどの歴史的建造物とのコントラストも見どころの一つです。

４. 街角カフェやレストランで味わう季節限定メニュー
この時期、街のカフェやベーカリーには、メキシコの伝統菓子 「パン・デ・ムエルト」(Pan de Muerto)が並びます。ふんわりとした食感に、ほんのり香るオレンジと砂糖の優しい甘さが特徴で、温かいコーヒーとの相性も抜群です。
その名の通り「死者の日」にちなんだ特別なパンで、丸い形は“生命の輪”を、上に飾られた十字の模様は“骨”を象徴しているといわれています。
この季節だけの限定スイーツ、ぜひ一度味わってみてください。

■ 死者の日におすすめカフェ in CDMX
１. Madre Cafe
メキシコシティのローマ・ノルテ地区に位置する「Madre Cafe」は、伝統と現代が融合した温かみのあるカフェです。Madre Cafeでは、毎年「死者の日」の期間中に特別な装飾が施されます。
店内には、色とりどりのマリーゴールド(Cempasuchil)や手作りの骸骨の飾り、伝統的な「パペル・ピカド」(切り絵の紙)などが飾られ、メキシコの豊かな文化を感じることができます。
今の時期におすすめなのは、地元の豆を使ったコーヒーやスパイスの効いたホットチョコレートと、甘く香ばしい味わいの「パン・デ・ムエルト」(Pan de Muerto)です。ブランチメニューも新鮮な食材を使った豊富な内容で、朝から訪れるのにぴったりです。

★ フォトスポット
店内の装飾は写真映えするスポットが多数。特に、マリーゴールドの花が咲き誇るガーデンエリアや、カラフルな「パペル・ピカド」が飾られたテラス席は、訪れる価値があります。

★ アクセス情報
　住所: Calle Orizaba 131, Col. Roma Norte, Alcaldia Cuauhtemoc, 06700 Ciudad de Mexico, CDMX

２. Panaderia Rosetta
メキシコシティ、ローマ・ノルテ地区に位置する「Panaderia Rosetta」は、死者の日の時期になると、名物の「Pan de Muerto」を大量に焼き上げる人気ベーカリーです。
Panaderia Rosettaの「Pan de Muerto」は、伝統的な骨の形の飾りやオレンジの風味が特徴で、メキシコの文化や習慣を感じられる一品です。

★ フォトスポット
店内や店頭に並ぶカラフルで美しいパンのディスプレイは撮影に最適です。
ローマ・ノルテの街並みと合わせて撮影すれば、メキシコらしい雰囲気を演出できます。

★ アクセス情報
　住所: Colima 179, Roma Nte., Cuauhtemoc, CDMX

** 朝早めの来店がおすすめです。人気店のため、早い時間にパンが売り切れてしまうこともあります。
　特に週末は早めの時間帯がベストです。

今回ご紹介した「Madre Cafe」と「Panaderia Rosetta」は、死者の日の時期ならではの特別な雰囲気と味を楽しめるスポットです。今の時期でしか味わえないパン・デ・ムエルトや季節限定メニューもあるので、ぜひこの機会に訪れてみてください。