"　過日、当事務所と日本評議会が共催で、ここ十年以上続けられている日本人旅行者の安全を守るための講習会が、ニューヨーク市警察本部で行われ、関係日系企業8社から14名の参加があり、市警からは3名の防犯担当の警官が出席し、最新の犯罪形態や一般的注意事項が披露された。

　まず、旅行中に心がけるべき点として、次の4点について注意喚起があった。

1)危機意識を持つ
2)複数で歩く
3)タクシーはイエローキャブに乗る
4)地下鉄を利用する時は、緑のランプがついてい
る入口から入るまた近年ニューヨークで見られる詐欺の手口を紹介した冊子が配られ、最近路上によく見られるいかさまカードゲームの実演などが行われた。

　冊子の中から典型的な例を紹介しておく;
路上で1人の女性が近付いてきて話かけ、相手になっていると、友人らしい別の女性が「近くで拾った」と言って多額の現金を持つて現れる。その中、片方が「自分は法律事務所で働いているから」ということでボスの弁護士に相談に行くということになり、戻ってきて日く、「お金は3人で平等に分けるべきで、お金はその弁護士が頂かった。3人は自分の所持金をその弁護士に見せた上で、拾った金額の3分の1を受け取ることができる」ということになった。
まず1人が弁護士のところへ行き、分前を貰って戻ってくると、貴方も銀行で現金をおろし早く行けという。自称法律事務所で働いているという女性が、貴方のお金を代わりに預かって行ってきてあげるというので現金を託す。

　しかし、手ぶらで戻ってきた彼女は「弁護士が貴方に話があるから来てほしい」と言っているという。しかしながら、教えてもらった住所には法律事務所など存在せず、不審に思って元のところへ戻ってきて見ると、2人の女性は消えている。外国にいるという非日常的な状態で思考停止をきたした心理につけこんだ、手のこんだ詐欺である。

こうした詐欺事件と共に多いのが、路上で行われているいかさまゲームで、トランプを3枚使って各カードの位置を当てさせる手口の実演が行われたが、うっかり手を出したために多額の金額をだまし取られた被害者もいる由、こうしたゲームには手を出さないようにご注意願いたい。"