かつては「ウィーン美術史博物館」と並ぶと称されたリヒテンシュタイン公の美術コレクションですが、１９３８年に大戦の被害を避けるべく安全な場所に移されてから、このコレクションの大部を観ることができたのは、わずか数回の特別展においてのみでありました。

「世界で最も貴重なプライベート美術コレクション」と言われ続けたこのコレクションの始まりは、１７世紀に遡ります。
リヒテンシュタイン家は、芸術を推進保護するというバロック時代の理念を何世代にもわたり守り続け、１６世紀以降のヨーロッパ美術の主要作品・工芸品を有していきました。特筆すべきは、１,５００点から成る絵画で、世界最大級のルーベンスのコレクションを筆頭に、レンブラント、ファン・ダイク、ラファエロ等の作品が含まれています。

コレクションを公開するにあたり、２００１年から宮殿の改修が開始されました。
そして来年２００４年３月２８日、珠玉のコレクションだけでなく、宮殿や庭園も含め、バロック芸術を総括的に触れることのできる美術館としてオープンします。