◆ タクシー
一般的なタクシー(黄色と黒の車体)は個人経営であり、料金は全て交渉制。但し、英語ができるドライバーはほとんどいない。また、道を知らないドライバーも非常に多く「住所を伝えれば連れて行ってくれる」ということは、まず期待できない。地図を読めないドライバーも多い。
訪問先への道順は、自分で事前に克明に調べておくか、もしくは訪問先の人から運転手にナビゲーションをしてもらうのが無難。目的地までの目印として有名ホテルや大きなバザール名などを伝えるとよい。
無線タクシー(Radio Cab)は組織化されている分、料金は高いがしっかりしている。それでも運転手はまず英語は満足に話せないと思っておいた方がよい。無線タクシーのカウンターは空港にもある。
〔代表的な無線タクシー会社〕
* Metro Radio Cab --- TEL: 051-111-222-787
* Islamabad Radio Cab --- TEL: 051-111-888-100
〔料金のめやす〕※2021年2月現在
空港〜市内ホテル: 約2200ルピー
2016年にCAREEMが開設され、スマートフォンのアプリにてタクシーを呼べるようになった。
導入当初はサービスの質も安定しており料金も明瞭で好評を博していたが、その後知名度が上がるにつれて運転手登録が劇的に増え、身元確認や研修が満足に行われていないため、カリーム運転手による乗客への犯罪も増加している。
* Careem(スマートフォンアプリを用いた民間タクシー会社)
https://www.careem.com/en-ae/cities/islamabad/
※その他、各旅行会社・ツアーオペレーターではハイヤー手配を行っている。
価格的には最も割高ではあるが、運転手の身元が確実で利用後のフォローアップも可能なので、予算的に許されるならば、最もリスクの少ない選択肢となる。
◆ 特殊な交通規制等
* 日本大使館等のあるDiplomatic Enclave付近は、事前に車両番号や運転手のIDを登録した車しか入ることができない。タクシーで乗り付けることもできないため、同地区へ行く場合には車両をチャーターし、その車両データを訪問先に前日15:00までに知らせて登録を完了するのが望ましい。
Enclave内の外国大使館へのビザ取得等での訪問を予定している場合には、国際会議場近くから巡回バスに乗って目的の大使館前で降りること。
* その他の地域においても検問が非常に頻繁に行われているため、移動の時間は余裕を持って計算しておくこと。
検問時に身分証明書の提示を求められるケースもあるため、パスポートは常時携行しておくこと。
◆ 公衆電話のかけ方
街中にPCO(Public Call Office)の看板があるので、これらの店に入って掛けたい電話番号を伝えると繋いでくれる。タバコ屋が兼務していることが多く、ちょっとしたバザールなどには必ずPCOがある。公衆電話ボックスなどはまずない。
◆ 旅行者立ち入り禁止区域
軍関連施設、立入危険エリアとしては炭坑など。
旧連邦直轄部族地域(旧FATA)および国境より10マイル以内の地域(カラコルム・ハイウェーを除く、北方地域及び北西辺境州のチトラル郡では国境より30マイル以内)、アーザード・カシミール地域、クエッタと幹線道路を除くバロチスタン州全域等が旅行制限地域となっている。
トレッキングのルートについても立ち入り制限地域(シアチェン氷河地域等)があるので注意する。
◆ 写真撮影禁止・規制場所
港湾、橋、鉄道、空港、軍関連施設等は撮影禁止。
現地の女性を撮影しないこと。(本人もしくは一緒にいる家族の承諾を得られれば撮影しても良い。)
◆ 歓楽街での注意点
違法な売春地区があるのはラホールで、他都市においてはそういった地区は存在しない。
ただ、売春斡旋業者はラホール以外のカラチやイスラマバードなどの大都市にも存在し、電話連絡を受けてコールガールをホテルに差し向けたり、ゲストハウスを売春宿代わりに利用しているケースもある。
いずれの場合においても売春は違法なので、絶対に近づかないこと。
◆ 治安の悪い地域
* 旧連邦直轄部族地域(FATA)、カイバル峠には、昼夜問わず近づかない方がよい。
* シンド州では強盗が出没するため、日没後の移動は警備を付けた方が安心。
* パンジャーブ州やシンド州での長距離移動の際には、治安当局から外国人がマークされ尋問を受けることもあるため、旅行会社を通して事前に地元警察への登録を完了しておく方がよい。(行程、パスポート情報、移動に使用する車両情報、ドライバーのID番号や携帯電話番号、同行ガイドの情報等)
* パンジャーブ州のチョリスタン砂漠にあるデラーワルフォート付近では、近年特に警察や諜報機関の動きが活発となっているため、外国人が事前手続きを経ずに訪問すると当局に身柄を拘束される可能性もある。
* カイバル・パフトゥーンハ州ペシャワールでは、外国人の動向に対して警察や諜報機関が敏感であるため、個人旅行で現地の旅行会社等を通さずに訪問した場合、ホテルに治安当局からの調査員が入れ替わり立ち替わり取調べにやってくるケースもある。
* その他の地域(大都市以外)においても一般に日没後の移動は極力避けた方がよい。止むを得ない場合には身元の確かな旅行会社を通じて専用車の手配を頼んで移動すること。流しのタクシーを捕まえての移動などは絶対に避けておいた方がよい。
* 大都市においては夜中まで店が開いているので、日没後も多くの人の往来があるが、やはり移動の専用車が望ましい。
◆ 注意すべき慣習等
* イスラム教国家であるため、特に女性の服装については身体の線が浮かび上がらないゆったりした、及びくるぶしまで隠れる服装が望ましい。尚、イスラマバードは都会なので、ベール着用の必要もなく、夏場に半袖を着用しても問題はない。
* 礼拝中の人の前を横切らないこと。
* コーランの文言が書かれたものを大切にしているので、それらしき飾り文字が書かれたものを現地の人の前で踏んだり捨てたりしないよう注意すること。(カレンダー、グリーティングカードや新聞等によく印刷されている。)
* チップの習慣があるので、ホテルやレストランのみならず、買い物の時に荷物を運ぶのを手伝ってくれたりした人には小銭(20ルピー程度)を心付けとしてさりげなく渡す。
ホテルの枕銭は100ルピー程度、ポーターへは150ルピー程度、レストランでは食事の10%程度が目安。
ルームサービス等を頼んだ場合にも小銭を渡すこと。
* 女性の身体に触れないこと。握手も求めない方が無難。
* 男性同士、女性同士はお互いを抱擁しあう挨拶スタイル。さらに女性同士の場合は左右の頬を合わせてキスする挨拶スタイルだが、男女がハグして挨拶することは絶対にない。時々どさくさまぎれに外国人女性にハグをする地元男性がいるが、これは確信犯。
* アイコンタクトをしてニッコリ微笑む習慣はないので、街中やエレベーターで乗り合せた異性に対して微笑むと、間違いなく気があるものと誤解される。知らない人とは目を合わせない方が無難。
* 子供へのスキンシップが豊富な国柄なので、外国人であっても子連れで歩いていると、すれ違いざまに見知らぬ人が子供のほほを触ったり、キスしたりすることがある。驚かないように。
* 結婚式等では、会場の入口で男性と女性とが別の部屋に案内される。同室で行われる場合でも前後または左右で男女のエリアが分かれる。
* 結婚式に招待された場合、祝儀に決まった形式はないが、市販の祝儀用の封筒(文房具店で購入可能)や日本の綺麗なレターセットの封筒に1,000〜5,000ルピーの祝儀を入れて持参し、招待してくれた花嫁花婿の親類に預けるか、本人と話す機会があれば花嫁花婿本人に渡すと良い。親しい間柄の相手の場合には金額がアップする。プレゼントを持っていく必要はない(もちろん持って行ってもよい)。
結婚式は通常3日間のメヘンディ、バラート、ワリマという行事で成り立っており、親しい友人の場合には全てに出席するのが望ましい。もし旅行中に知人に招待され、全てに出席することは難しい場合、知人が新郎であるか新婦であるかによって出席すべき行事が異なる。
* 夕食会であっても結婚式であっても、開始予定時刻を大幅に過ぎてから始まることはよくある(パキスタンタイムと揶揄される)。夕食に招待された場合、大体30分程遅れて到着してちょうどよい位。又、その後に予定を入れていると遅れてしまう可能性があるので、スケジュールはゆったりと組むのが望ましい。
◆ 一般人(旅行者を含む)に罰金が科せられるような条例等
* 飲酒は禁じられており、酒類は一般の商店では販売されていない。又、酒類の国内持ち込みも禁止されている。
* 仏像等の骨董品の国外不法持ち出しは禁じられている。
* 原則的にパキスタンでは夫婦でない男女が同室に宿泊することは禁じられている。
一般のホテルやゲストハウスにおいても、夫婦でない男女が同室に宿泊する場合には、いとこなどの親類であることを証明する書類の提示を求めることを、予め明示する宿泊施設が増えている。場合によっては警察に通報され、身柄を拘束される場合もあるので注意を。
◆ 日常会話におけるタブー等
* イスラム教に関する話題は宗派のことも含めて非常にセンシティブなので、純粋に「知りたい」という姿勢で話をする以外は慎重に。
* 性的なジョークなどはよほど親しい同性の間柄でしか通用しない。間違っても異性に対して気軽に言ったりしないように。逆に地元の男性が外国人女性に対して性的な話題をもちかけた場合、不愉快な場合にはエスカレートする前にキッパリ断ること。欧米文化への誤った認識から「外国人女性=解放的で何をしても良い」と認識している男性が少なからず居る。
又、妊娠出産についてもあまり公にしないので、妊婦らしき女性に男性が「妊娠中ですか?」などと尋ねるのは失礼にあたる。
* 犬を不浄の動物だと深く信じている人がいるので、人を犬に例えたり、犬を冗談でも人の名前で呼ぶのは厳禁。
* 目上の人間への尊敬(特に親に対する尊敬)は絶対なので、相手(パキスタン人)の親を馬鹿にした発言は冗談であっても口にすべきではないし、自分の親を軽んじる発言は謙遜や照れとは受け止められずに非常識な人間だと人格を疑われる可能性がある。
◆ 警察の信頼度と日本人への対応
警察の評判や信頼度はあまり高くない。
トラブルに巻き込まれた時には、直接警察へ行くよりも大使館や現地に暮らす日本人に一旦相談をした方が賢明。
◆ 鉄道・バス・飛行機等の発着時刻等の正確さ
鉄道やバスは全く不正確である。飛行機は比較的信頼できるが、冬季は各地での濃霧の影響でダイヤが乱れがち。
◆ 日本語対応可能な窓口 (大使館・領事館、旅行会社・ツアーオペレーター以外)
JETRO(カラチ)、JICA(イスラマバード、カラチ)、日本人学校(イスラマバード、カラチ)、商社や新聞社・通信社等の組織はあるが、旅行者のための組織はない。
尚、これらの組織には、むやみに連絡しないこと。
【 禁制品 】
◆ 国外持ち出し禁止品
ガンダーラ仏像をはじめとする文化遺産。
遺跡でレプリカを売っているが、一見しただけでは本物でないことを証明できないため、空港で見つかると没収される。又、場合によっては事情聴取されることもある。
骨董品、麻薬、武器類、酒類。
◆ 国外持ち出し規制品
絨毯の持ち出しに際しては、購入時の領収書の提示を求められるケースがある。
なお、土産物店でシャトゥーシュ(チベットアンテロープの毛で作った高級毛織物)のショールを勧められるが、ワシントン条約により日本への持ち込みは禁止されているので要注意。
◆ 現地通貨の持ち出し規制
500ルピー以上は持ち出し禁止だが、検査されることはまずない。
いずれにしてもパキスタンルピーは国外では両替もできないので、滞在中に使い切ることをお勧めします。
【 電子タバコ関連情報 】
1) 入国時に電子タバコ/加熱式タバコの持ち込みは可能ですか?
〔回答〕
◎ 本体について
持ち込み可能
特に現時点では規制はありません。
◎ タバコの葉の部分について
持ち込みに関する規制は、現時点ではありません。
従来の紙巻きタバコの場合は、個人が使用する分量として以下の量制限があります。
→ 紙巻タバコ 200本 / 葉巻 50本 / たばこの葉500g のいずれか)
2) 制限や条件を無視して、また持ち込み不可にもかかわらず、電子タバコ/加熱式タバコを持ち込んでしまった場合、罰金や没収などのペナルティはありますか?
〔回答〕
現時点では、電子タバコに関する明確なルールは定められておりません。
3) その他、電子タバコ/加熱式タバコに関しての注意点等
〔回答〕
喫煙者の多いパキスタン国内においても、都市部のレストランやホテルでは禁煙スペースが急激に増えています。
イスラマバード新空港も出発ロビーの一部の喫煙エリアを除いては禁煙となっています。
一般に禁煙とされている場所においては、加熱式タバコも紙巻きたばこと同様に禁止です。
◆ タバコ事情(紙巻タバコ、電子/加熱式タバコ共)
ホテルやレストランなど喫煙所を設けている場所以外では、公共の場所では屋内・屋外問わず禁煙です。
【 その他情報 】
* 日本円から現地通貨への両替について
主要ホテルや銀行で日本円から現地通貨への両替が可能ですが、日本円より米ドルの方が取り扱いが多いため、米ドルをお持ちになることをお勧めします。
市内にあるATMではクレジットカード(VISA、MasterCard)によるキャッシングが可能です。
主要ホテル・レストラン・土産物店でもクレジットカード利用可能です。
* プリペイド式SIMカードの購入について
以前は外国人でも簡単にプリペイド式の携帯電話SIMの購入が可能でしたが、近年は携帯電話がテロに使用されていることから登録基準が厳しくなり、携帯電話会社によっては外国人の登録が非常に時間のかかるものとなりました。
短期滞在の方で現地携帯が必要な方は、レンタルをお勧めいたします。
* Wi-Fiの状況
Wi-Fiは高級ホテルのロビーや高級レストランでは無料で接続可能です。パスワード不要の場合もありますし、ホテルや店の人にパスワードを教えてもらう必要がある場合もあります。また中級以上のホテルでは宿泊客にWi-Fiサービスを無料で提供しています。
街中ではアクセスポイントは少なく、移動中にネットを使う場合、携帯電話のパッケージにネットが含まれないケースでは携帯用のWi-Fiルーターを利用すると良い。一部旅行会社ではレンタルをしているのでそちらを利用するか、PTCL(Pakistan Telecommunication Company Limited)もしくは携帯電話会社の代理店で直接ルーターを購入する(ID提出が必要)。月契約のものもあれば使い捨てのものもある。
* 海外旅行保険加入のすすめ
パキスタンへの渡航前に、日本(またはお住まいの国)にて海外旅行保険へのご加入をお勧めいたします。
パキスタンにおいては、物価の違いや補償に関する概念の違いから、現地運送機関や宿泊機関、観光施設からの賠償を取り付けるのはぼぼ不可能です。
* パキスタンにおけるエネルギー事情
電力不足が著しく、首都圏でも夏場は3時間に1回1時間の停電(つまり2時間通電、1時間停電のサイクル)の計画停電が基本で、場合によっては半日以上電気が来ない場合もあります。農村部では1日のうち3時間ほど電気があるだけ・・・といった状況も珍しくありません。発電機で停電をカバーしていますが、電力が不安定であったり、発電機の規模から全ての電源をフォローできないケースもあります。
旅行中や出張中のカメラやパソコン、携帯電話の充電はこまめに行い、長時間停電にも対応できるようにしてください。
冬季はガスの供給が不足しており、首都圏の一般家庭でもガスが弱すぎて煮炊きやシャワーが満足にできないという状況が起きています。高級ホテルではその限りではありませんが、低価格のホテルに宿泊する場合、食堂での調理に時間がかかったり、シャワーの湯が出ない、また暖房が不十分という事態を想定しておいてください。ガスボンベを備えつけることでカバーするケースもありますが、ボンベの安全性も疑問視されており、爆発事故も時折発生しています。
◎ 安全面に関する注意点
* 近年はテロ脅威が下火となりましたが、一般治安の悪化が顕著となっています。
比較的安全度の高いとみなされていたイスラマバード首都圏においても拳銃を突き付けての強盗や誘拐が発生するようになりました。
* 政治的な理由でのデモが暴動に発展するケースも増えており、その勢いは急速なので、朝は何事もなかったエリアが昼には閉鎖といった事態も珍しくなくなっています。
できる限りパキスタン在住の邦人や旅行会社を通じて最新情報が入手できるように努めることをお勧めいたします。
*パキスタン滞在中は、地元のテレビ(英語のパキスタンニュースチャンネルはない)や新聞(英字紙はExpress Tribune、The News、Dawn、The Nationなど)を確認し、常に新しい情報を確認するようにしてください。新聞各社はそれぞれホームページを持っており、情報を随時更新しています。
パキスタン情勢については、国外に居ても新聞テレビ各社ホームページ等で確認が可能ですので、それらのメディア情報を収集すると共に、訪問に先立っては現地のツアーオペレーターに相談されることをおすめいたします。
* パキスタンでは政治集会や宗教絡みの集会の際には、治安当局が意図的に携帯電話の電波を停止してしまう場合があります。固定電話は元々不安定ですので、パキスタン滞在中にはスマートフォンなどでのインターネット回線も確保しておくようにしてください。
* 外務省の「たびレジ」には、パキスタン在留邦人向けに発信されている情報の多くが紹介されていますので、必ず登録をしてからパキスタンにお越しください。
◎たびレジ: https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
一般的なタクシー(黄色と黒の車体)は個人経営であり、料金は全て交渉制。但し、英語ができるドライバーはほとんどいない。また、道を知らないドライバーも非常に多く「住所を伝えれば連れて行ってくれる」ということは、まず期待できない。地図を読めないドライバーも多い。
訪問先への道順は、自分で事前に克明に調べておくか、もしくは訪問先の人から運転手にナビゲーションをしてもらうのが無難。目的地までの目印として有名ホテルや大きなバザール名などを伝えるとよい。
無線タクシー(Radio Cab)は組織化されている分、料金は高いがしっかりしている。それでも運転手はまず英語は満足に話せないと思っておいた方がよい。無線タクシーのカウンターは空港にもある。
〔代表的な無線タクシー会社〕
* Metro Radio Cab --- TEL: 051-111-222-787
* Islamabad Radio Cab --- TEL: 051-111-888-100
〔料金のめやす〕※2021年2月現在
空港〜市内ホテル: 約2200ルピー
2016年にCAREEMが開設され、スマートフォンのアプリにてタクシーを呼べるようになった。
導入当初はサービスの質も安定しており料金も明瞭で好評を博していたが、その後知名度が上がるにつれて運転手登録が劇的に増え、身元確認や研修が満足に行われていないため、カリーム運転手による乗客への犯罪も増加している。
* Careem(スマートフォンアプリを用いた民間タクシー会社)
https://www.careem.com/en-ae/cities/islamabad/
※その他、各旅行会社・ツアーオペレーターではハイヤー手配を行っている。
価格的には最も割高ではあるが、運転手の身元が確実で利用後のフォローアップも可能なので、予算的に許されるならば、最もリスクの少ない選択肢となる。
◆ 特殊な交通規制等
* 日本大使館等のあるDiplomatic Enclave付近は、事前に車両番号や運転手のIDを登録した車しか入ることができない。タクシーで乗り付けることもできないため、同地区へ行く場合には車両をチャーターし、その車両データを訪問先に前日15:00までに知らせて登録を完了するのが望ましい。
Enclave内の外国大使館へのビザ取得等での訪問を予定している場合には、国際会議場近くから巡回バスに乗って目的の大使館前で降りること。
* その他の地域においても検問が非常に頻繁に行われているため、移動の時間は余裕を持って計算しておくこと。
検問時に身分証明書の提示を求められるケースもあるため、パスポートは常時携行しておくこと。
◆ 公衆電話のかけ方
街中にPCO(Public Call Office)の看板があるので、これらの店に入って掛けたい電話番号を伝えると繋いでくれる。タバコ屋が兼務していることが多く、ちょっとしたバザールなどには必ずPCOがある。公衆電話ボックスなどはまずない。
◆ 旅行者立ち入り禁止区域
軍関連施設、立入危険エリアとしては炭坑など。
旧連邦直轄部族地域(旧FATA)および国境より10マイル以内の地域(カラコルム・ハイウェーを除く、北方地域及び北西辺境州のチトラル郡では国境より30マイル以内)、アーザード・カシミール地域、クエッタと幹線道路を除くバロチスタン州全域等が旅行制限地域となっている。
トレッキングのルートについても立ち入り制限地域(シアチェン氷河地域等)があるので注意する。
◆ 写真撮影禁止・規制場所
港湾、橋、鉄道、空港、軍関連施設等は撮影禁止。
現地の女性を撮影しないこと。(本人もしくは一緒にいる家族の承諾を得られれば撮影しても良い。)
◆ 歓楽街での注意点
違法な売春地区があるのはラホールで、他都市においてはそういった地区は存在しない。
ただ、売春斡旋業者はラホール以外のカラチやイスラマバードなどの大都市にも存在し、電話連絡を受けてコールガールをホテルに差し向けたり、ゲストハウスを売春宿代わりに利用しているケースもある。
いずれの場合においても売春は違法なので、絶対に近づかないこと。
◆ 治安の悪い地域
* 旧連邦直轄部族地域(FATA)、カイバル峠には、昼夜問わず近づかない方がよい。
* シンド州では強盗が出没するため、日没後の移動は警備を付けた方が安心。
* パンジャーブ州やシンド州での長距離移動の際には、治安当局から外国人がマークされ尋問を受けることもあるため、旅行会社を通して事前に地元警察への登録を完了しておく方がよい。(行程、パスポート情報、移動に使用する車両情報、ドライバーのID番号や携帯電話番号、同行ガイドの情報等)
* パンジャーブ州のチョリスタン砂漠にあるデラーワルフォート付近では、近年特に警察や諜報機関の動きが活発となっているため、外国人が事前手続きを経ずに訪問すると当局に身柄を拘束される可能性もある。
* カイバル・パフトゥーンハ州ペシャワールでは、外国人の動向に対して警察や諜報機関が敏感であるため、個人旅行で現地の旅行会社等を通さずに訪問した場合、ホテルに治安当局からの調査員が入れ替わり立ち替わり取調べにやってくるケースもある。
* その他の地域(大都市以外)においても一般に日没後の移動は極力避けた方がよい。止むを得ない場合には身元の確かな旅行会社を通じて専用車の手配を頼んで移動すること。流しのタクシーを捕まえての移動などは絶対に避けておいた方がよい。
* 大都市においては夜中まで店が開いているので、日没後も多くの人の往来があるが、やはり移動の専用車が望ましい。
◆ 注意すべき慣習等
* イスラム教国家であるため、特に女性の服装については身体の線が浮かび上がらないゆったりした、及びくるぶしまで隠れる服装が望ましい。尚、イスラマバードは都会なので、ベール着用の必要もなく、夏場に半袖を着用しても問題はない。
* 礼拝中の人の前を横切らないこと。
* コーランの文言が書かれたものを大切にしているので、それらしき飾り文字が書かれたものを現地の人の前で踏んだり捨てたりしないよう注意すること。(カレンダー、グリーティングカードや新聞等によく印刷されている。)
* チップの習慣があるので、ホテルやレストランのみならず、買い物の時に荷物を運ぶのを手伝ってくれたりした人には小銭(20ルピー程度)を心付けとしてさりげなく渡す。
ホテルの枕銭は100ルピー程度、ポーターへは150ルピー程度、レストランでは食事の10%程度が目安。
ルームサービス等を頼んだ場合にも小銭を渡すこと。
* 女性の身体に触れないこと。握手も求めない方が無難。
* 男性同士、女性同士はお互いを抱擁しあう挨拶スタイル。さらに女性同士の場合は左右の頬を合わせてキスする挨拶スタイルだが、男女がハグして挨拶することは絶対にない。時々どさくさまぎれに外国人女性にハグをする地元男性がいるが、これは確信犯。
* アイコンタクトをしてニッコリ微笑む習慣はないので、街中やエレベーターで乗り合せた異性に対して微笑むと、間違いなく気があるものと誤解される。知らない人とは目を合わせない方が無難。
* 子供へのスキンシップが豊富な国柄なので、外国人であっても子連れで歩いていると、すれ違いざまに見知らぬ人が子供のほほを触ったり、キスしたりすることがある。驚かないように。
* 結婚式等では、会場の入口で男性と女性とが別の部屋に案内される。同室で行われる場合でも前後または左右で男女のエリアが分かれる。
* 結婚式に招待された場合、祝儀に決まった形式はないが、市販の祝儀用の封筒(文房具店で購入可能)や日本の綺麗なレターセットの封筒に1,000〜5,000ルピーの祝儀を入れて持参し、招待してくれた花嫁花婿の親類に預けるか、本人と話す機会があれば花嫁花婿本人に渡すと良い。親しい間柄の相手の場合には金額がアップする。プレゼントを持っていく必要はない(もちろん持って行ってもよい)。
結婚式は通常3日間のメヘンディ、バラート、ワリマという行事で成り立っており、親しい友人の場合には全てに出席するのが望ましい。もし旅行中に知人に招待され、全てに出席することは難しい場合、知人が新郎であるか新婦であるかによって出席すべき行事が異なる。
* 夕食会であっても結婚式であっても、開始予定時刻を大幅に過ぎてから始まることはよくある(パキスタンタイムと揶揄される)。夕食に招待された場合、大体30分程遅れて到着してちょうどよい位。又、その後に予定を入れていると遅れてしまう可能性があるので、スケジュールはゆったりと組むのが望ましい。
◆ 一般人(旅行者を含む)に罰金が科せられるような条例等
* 飲酒は禁じられており、酒類は一般の商店では販売されていない。又、酒類の国内持ち込みも禁止されている。
* 仏像等の骨董品の国外不法持ち出しは禁じられている。
* 原則的にパキスタンでは夫婦でない男女が同室に宿泊することは禁じられている。
一般のホテルやゲストハウスにおいても、夫婦でない男女が同室に宿泊する場合には、いとこなどの親類であることを証明する書類の提示を求めることを、予め明示する宿泊施設が増えている。場合によっては警察に通報され、身柄を拘束される場合もあるので注意を。
◆ 日常会話におけるタブー等
* イスラム教に関する話題は宗派のことも含めて非常にセンシティブなので、純粋に「知りたい」という姿勢で話をする以外は慎重に。
* 性的なジョークなどはよほど親しい同性の間柄でしか通用しない。間違っても異性に対して気軽に言ったりしないように。逆に地元の男性が外国人女性に対して性的な話題をもちかけた場合、不愉快な場合にはエスカレートする前にキッパリ断ること。欧米文化への誤った認識から「外国人女性=解放的で何をしても良い」と認識している男性が少なからず居る。
又、妊娠出産についてもあまり公にしないので、妊婦らしき女性に男性が「妊娠中ですか?」などと尋ねるのは失礼にあたる。
* 犬を不浄の動物だと深く信じている人がいるので、人を犬に例えたり、犬を冗談でも人の名前で呼ぶのは厳禁。
* 目上の人間への尊敬(特に親に対する尊敬)は絶対なので、相手(パキスタン人)の親を馬鹿にした発言は冗談であっても口にすべきではないし、自分の親を軽んじる発言は謙遜や照れとは受け止められずに非常識な人間だと人格を疑われる可能性がある。
◆ 警察の信頼度と日本人への対応
警察の評判や信頼度はあまり高くない。
トラブルに巻き込まれた時には、直接警察へ行くよりも大使館や現地に暮らす日本人に一旦相談をした方が賢明。
◆ 鉄道・バス・飛行機等の発着時刻等の正確さ
鉄道やバスは全く不正確である。飛行機は比較的信頼できるが、冬季は各地での濃霧の影響でダイヤが乱れがち。
◆ 日本語対応可能な窓口 (大使館・領事館、旅行会社・ツアーオペレーター以外)
JETRO(カラチ)、JICA(イスラマバード、カラチ)、日本人学校(イスラマバード、カラチ)、商社や新聞社・通信社等の組織はあるが、旅行者のための組織はない。
尚、これらの組織には、むやみに連絡しないこと。
【 禁制品 】
◆ 国外持ち出し禁止品
ガンダーラ仏像をはじめとする文化遺産。
遺跡でレプリカを売っているが、一見しただけでは本物でないことを証明できないため、空港で見つかると没収される。又、場合によっては事情聴取されることもある。
骨董品、麻薬、武器類、酒類。
◆ 国外持ち出し規制品
絨毯の持ち出しに際しては、購入時の領収書の提示を求められるケースがある。
なお、土産物店でシャトゥーシュ(チベットアンテロープの毛で作った高級毛織物)のショールを勧められるが、ワシントン条約により日本への持ち込みは禁止されているので要注意。
◆ 現地通貨の持ち出し規制
500ルピー以上は持ち出し禁止だが、検査されることはまずない。
いずれにしてもパキスタンルピーは国外では両替もできないので、滞在中に使い切ることをお勧めします。
【 電子タバコ関連情報 】
1) 入国時に電子タバコ/加熱式タバコの持ち込みは可能ですか?
〔回答〕
◎ 本体について
持ち込み可能
特に現時点では規制はありません。
◎ タバコの葉の部分について
持ち込みに関する規制は、現時点ではありません。
従来の紙巻きタバコの場合は、個人が使用する分量として以下の量制限があります。
→ 紙巻タバコ 200本 / 葉巻 50本 / たばこの葉500g のいずれか)
2) 制限や条件を無視して、また持ち込み不可にもかかわらず、電子タバコ/加熱式タバコを持ち込んでしまった場合、罰金や没収などのペナルティはありますか?
〔回答〕
現時点では、電子タバコに関する明確なルールは定められておりません。
3) その他、電子タバコ/加熱式タバコに関しての注意点等
〔回答〕
喫煙者の多いパキスタン国内においても、都市部のレストランやホテルでは禁煙スペースが急激に増えています。
イスラマバード新空港も出発ロビーの一部の喫煙エリアを除いては禁煙となっています。
一般に禁煙とされている場所においては、加熱式タバコも紙巻きたばこと同様に禁止です。
◆ タバコ事情(紙巻タバコ、電子/加熱式タバコ共)
ホテルやレストランなど喫煙所を設けている場所以外では、公共の場所では屋内・屋外問わず禁煙です。
【 その他情報 】
* 日本円から現地通貨への両替について
主要ホテルや銀行で日本円から現地通貨への両替が可能ですが、日本円より米ドルの方が取り扱いが多いため、米ドルをお持ちになることをお勧めします。
市内にあるATMではクレジットカード(VISA、MasterCard)によるキャッシングが可能です。
主要ホテル・レストラン・土産物店でもクレジットカード利用可能です。
* プリペイド式SIMカードの購入について
以前は外国人でも簡単にプリペイド式の携帯電話SIMの購入が可能でしたが、近年は携帯電話がテロに使用されていることから登録基準が厳しくなり、携帯電話会社によっては外国人の登録が非常に時間のかかるものとなりました。
短期滞在の方で現地携帯が必要な方は、レンタルをお勧めいたします。
* Wi-Fiの状況
Wi-Fiは高級ホテルのロビーや高級レストランでは無料で接続可能です。パスワード不要の場合もありますし、ホテルや店の人にパスワードを教えてもらう必要がある場合もあります。また中級以上のホテルでは宿泊客にWi-Fiサービスを無料で提供しています。
街中ではアクセスポイントは少なく、移動中にネットを使う場合、携帯電話のパッケージにネットが含まれないケースでは携帯用のWi-Fiルーターを利用すると良い。一部旅行会社ではレンタルをしているのでそちらを利用するか、PTCL(Pakistan Telecommunication Company Limited)もしくは携帯電話会社の代理店で直接ルーターを購入する(ID提出が必要)。月契約のものもあれば使い捨てのものもある。
* 海外旅行保険加入のすすめ
パキスタンへの渡航前に、日本(またはお住まいの国)にて海外旅行保険へのご加入をお勧めいたします。
パキスタンにおいては、物価の違いや補償に関する概念の違いから、現地運送機関や宿泊機関、観光施設からの賠償を取り付けるのはぼぼ不可能です。
* パキスタンにおけるエネルギー事情
電力不足が著しく、首都圏でも夏場は3時間に1回1時間の停電(つまり2時間通電、1時間停電のサイクル)の計画停電が基本で、場合によっては半日以上電気が来ない場合もあります。農村部では1日のうち3時間ほど電気があるだけ・・・といった状況も珍しくありません。発電機で停電をカバーしていますが、電力が不安定であったり、発電機の規模から全ての電源をフォローできないケースもあります。
旅行中や出張中のカメラやパソコン、携帯電話の充電はこまめに行い、長時間停電にも対応できるようにしてください。
冬季はガスの供給が不足しており、首都圏の一般家庭でもガスが弱すぎて煮炊きやシャワーが満足にできないという状況が起きています。高級ホテルではその限りではありませんが、低価格のホテルに宿泊する場合、食堂での調理に時間がかかったり、シャワーの湯が出ない、また暖房が不十分という事態を想定しておいてください。ガスボンベを備えつけることでカバーするケースもありますが、ボンベの安全性も疑問視されており、爆発事故も時折発生しています。
◎ 安全面に関する注意点
* 近年はテロ脅威が下火となりましたが、一般治安の悪化が顕著となっています。
比較的安全度の高いとみなされていたイスラマバード首都圏においても拳銃を突き付けての強盗や誘拐が発生するようになりました。
* 政治的な理由でのデモが暴動に発展するケースも増えており、その勢いは急速なので、朝は何事もなかったエリアが昼には閉鎖といった事態も珍しくなくなっています。
できる限りパキスタン在住の邦人や旅行会社を通じて最新情報が入手できるように努めることをお勧めいたします。
*パキスタン滞在中は、地元のテレビ(英語のパキスタンニュースチャンネルはない)や新聞(英字紙はExpress Tribune、The News、Dawn、The Nationなど)を確認し、常に新しい情報を確認するようにしてください。新聞各社はそれぞれホームページを持っており、情報を随時更新しています。
パキスタン情勢については、国外に居ても新聞テレビ各社ホームページ等で確認が可能ですので、それらのメディア情報を収集すると共に、訪問に先立っては現地のツアーオペレーターに相談されることをおすめいたします。
* パキスタンでは政治集会や宗教絡みの集会の際には、治安当局が意図的に携帯電話の電波を停止してしまう場合があります。固定電話は元々不安定ですので、パキスタン滞在中にはスマートフォンなどでのインターネット回線も確保しておくようにしてください。
* 外務省の「たびレジ」には、パキスタン在留邦人向けに発信されている情報の多くが紹介されていますので、必ず登録をしてからパキスタンにお越しください。
◎たびレジ: https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
- ●外務省提供
- ●観光庁提供
- ●厚生労働省 検疫所情報
- ●国土交通省航空局 提供