"　当地のテレビ番組に「CURRENT AFFAIR」というワイドショーがあるが、最近、日本や韓国などのアジア系旅行社の活動を中傷するようなテーマが放映されたので、ご参考までに報告しておく。

　内容は、これらアジア系旅行社が、コミッションを多く出す大手の土産物店に集中的に送客しているというもので、デューティフリー店のことを指しているらしい。これでは地元商店としては困るということらしい。また、ガイドに特定の飲食店を推薦させ、それ以外は法外に高いから行かないほうがいいなどと言って営業妨害をしているという。画面では、大手旅行会社名などのロゴが日立つように隠し撮りされたビデオや、関係者の証言などがリアルに紹介され、先日も観光大臣まで登場させ、司会者は、このようなアンフェアな状況は改善すべきであると出席者の意見を誘導している有様であった。

　番組では、アジア系旅行社がいかにも悪者らしく仕立て上げられていたが、旅行会社がコミッションをとることは違法ではないし、ガイドが旅行者に対して立地条件や時間帯から危険になることも考えられる店やレストランを教えることは、旅行者保護の上で当然のことであるし、第一、そもそもアジア系旅行社の送客努力をどう評価しているのかさえ定かならず、何を言いたいのか今一つはっきりしない番組であった。

　当初、日系旅行社の方も、放送局に対して法的処置をと考えたようであるが、弁護士とも相談し、このような井戸端会議的ワイドショーに対して、時間とエネルギーとお金を費やす価値はないという結論になったとのことであった。"