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中国 広東省 / 世界遺産、開平(カイピン)へ−その1

掲載日時:2007年09月06日

情報提供:エーペックスインターナショナル株式会社

開平(カイピン)を含めた「五邑(ゴエキ)地区」は、多くの華僑が輩出されている事で有名です。地理的には広東省の中南部に位置し、珠江三角洲経済開発区に属します。
ここは、2007年6月28日、「開平の望楼と集落」として、ニュージーランド クライストチャーチで行われた「第31回世界遺産委員会」において世界遺産に登録されたばかりの場所です。
今回は、このまだ見ぬ世界遺産の概要をご紹介いたします。

■ 開平の場所
 最寄の大都市: 広州
 広州〜開平間: 所要時間 車で約2時間、大型バスの場合約2時間30分

■ 開平のベストシーズン:10月〜11月
広東の気候が涼しくなり過ごし易くなる事と、稲穂が黄金色に色づく頃の田園風景がとても素晴らしい。
逆に3〜4月は雨が多いので、この時期の旅行は避けられるのが良いでしょう。
木々や草花が青々としている暑い夏も、旅行におすすめのシーズンです。

■ 開平と望楼の歴史
華僑の故郷といわれる開平市の現在の人口は65万人、それに対し開平から海外に華僑として滞在している人口が75万人。
アヘン戦争後、アメリカ、カナダ等のゴールドラッシュ時代、多くの中国人が労働力としてこれらの国々に渡ったといいます。
決して楽ではない海外での労働を終えて財を成し、故郷の地に洋風の家を建てたのが現在残る望楼群です。一方、海外の地に留まり送金を続ける華僑もいた事から、開平の地に住む人々は比較的裕福な暮らしをしておりました。

中華民国期に入ると、国内情勢の悪化に伴い治安も非常に悪化。盗賊が横行した事から、これを防ぐためにも強固な望楼を建てる様になりました。
望楼には個人住居用と村人の共同施設がありますが、どちらも盗賊対策、冠水対策を考慮し作られています。当時では高層階であった建物の壁は厚く、窓は狭く、屋内から鉄砲が撃てる様、あちこちに銃口があります。
又、入口のドアも鉄製。サーチライトも残っています。

共産党政権発足後、文化大革命から逃れるため、故郷に戻った華僑たちは再び海外へ移住する事となりました。そのため、現在、開平で1,833棟の望楼のほとんどは、家主が不在の状態にあります。(当時は3000棟あったとの事)
尚、開平市では、海外の家主と連絡を取り、許可を得られた望楼は市が管理し、観光用に公開しています。


次回は、開平の代表的な観光ポイントをご紹介いたします。