ベトナム中部ダナンより西に約９０ｋｍ、車で約２時間弱のクァンナム省の山岳地域には、伝統を守りつつ、現代ベトナム社会にも融合しながら暮らす「カトゥー族」という少数民族が暮らしています。カトゥー族は、紀元前から中部高原に住む古い民族と言われており、もともとチャンパ遺跡を残したチャム族より古いという説や、ラオスから山を越えてきたという説もあります。
人々は、今もなお昔から続く焼畑や家畜飼育で生計を立て、不況や不作が続くと水牛を生贄に捧げるという習慣が残っており、村々はグンと呼ばれる神聖な集会所を中心に形成されています。また生地にビーズを直接織り込むカトゥー織という独自の伝統的な織物があり、村の特別な日にはカトゥー織の衣装を身に着けて踊ったり音楽を演奏したりします。

しかし近年、現代社会の波にもまれ、カトゥー族の生活は年々苦しくなり、カトゥー織も絶滅の危機にありました。そこに、国際ＮＧＯとともに日本の支援団体である国際開発救援団体(FIDR)が支援に入り、カトゥー族の食料増産による生活状況の改善と、伝統文化と自然資源を活用した観光開発を促進する活動を行い、現在ではカトゥー族が自主的に観光を地域活性の手段として活用する、地域主導型の観光開発成功事例となっています。
尚、この村へ訪れるには許可が必要です。訪問人数は１０〜２５名程度がベスト。おすすめグループは、写真撮影、ボランティア(植林、農作業の手伝い、花を植える、校舎の清掃のお手伝い、川を渡りやすくするために川底に石を並べるなど)、小規模な教育旅行などです。
是非、お越しください。

■ 主なみどころ他
* 集会所(グンハウス)
* 博物館(カトゥー族が利用してきた農器具・民族衣装など)
* 村: ７つの集落のうち、３〜４つの村を訪問。
* グラン滝: グランは伝説の魚(滝を登ると竜になると言われている)の名前。
* ヤヤダンス: 喜びを表現して踊るカトゥー族のダンス。織物の村。
* 小学校: 月〜金曜日の午前中のみ。ここでの交流会も可能。
* 食事(昼食): 村のグンハウスにて。村の人々が事前に用意してくれた山村にある食材だけを利用した素朴な料理。
　　竹包みごはんやナス、かぼちゃなどを使ったおかず、焼き豚など。