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アラブ首長国連邦 [ United Arab Emirates ]

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国別現地だより

UAE / イスラム教について−その5

掲載日時:2002年04月26日

情報提供:株式会社ユー・ティ・アイ・ジャパン

今まで4回にわたりご案内させていただきました、イスラム教の聖典=コーランの教えの基本についても、今回が最後となります。
今回は “5柱 − 信仰、礼拝、喜捨、ラマダン、巡礼”、その5つ目の教え『巡礼』について、ご案内致します。


5. 巡礼 (ハッジ)

世界中のイスラム教徒が巡礼に訪れるサウジアラビアのメッカ。

もともと簡単には入国できないサウジアラビアですが、その中でもメッカとメディナはイスラム教にとって聖地にあたり、イスラム教徒以外の者は街に入ることができません。

メッカはモハメッドが生まれた街であり、イスラム教が生まれた街です。
当初イスラム教は、メッカで受け入れられず迫害されていたため、モハメッド率いるイスラム教徒はメディナに移住します。
その後再びメッカに戻りましたが、最終的にモハメッドはメディナにて没します。ちなみにモハメッドがメディナに移住した年がイスラム暦の1年目となります。
  
イスラム教徒は、可能であれば一生に一度はサウジアラビアにあるメッカに巡礼に行くように言われています。(メッカにある聖モスクの中のカーバ神殿の周りを回ることが、イスラム教が別名、回教と言われるゆえんです。)

巡礼月にはメッカを目指して世界中のイスラム教徒が集まるため、メッカを擁するサウジジアラビアは彼らのための宿泊施設を作ってはいますが、何と言っても世界中から集まってくるため、とても全員を収容できる数はありません。
そのため、多くの人が自分でテントを張り路上で暮らしたり、車の中で寝泊りなどをしますが、体調を崩し病気になる人もいるとか。

ドバイのようなお金持ちの街ではまだしも、他の比較的貧しいイスラム国のイスラム教徒、特に田舎の方では、メッカへ巡礼に行くことは一種のステータスとなり、家の壁に車や飛行機の絵、カーバ神殿の絵が描かれている事があります。

周囲の人間に、自分は飛行機や車でメッカに巡礼に行ったのだ、ということを知らしめるためのものです。ただ、飛行機という便利な移動手段が できたこと、全体的に収入が増えてきたことなどから、だんだん巡礼者の数が増えてきており、さばききれない数の人々に音を上げたサウジアラビア政府が、巡礼は1年に1度ではなく、5年に1度にするように勧告しているそうです。   



次回は本題のイスラム暦の祝日についてご説明をいたします。



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