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メキシコ [ United Mexican States ]

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国別現地だより

メキシコ / ガイドブックに載らないマイナー世界遺産紀行 その23

掲載日時:2006年11月24日

情報提供:株式会社メキシコ観光

■ 第23回 アメリカとの貿易の十字路 【 パキメの遺跡、カサス・グランデス 】

チワワ犬で有名なメキシコ北部の都市チワワから220km、カサグランデスの住宅地を抜けた砂漠の中にインディアン文化の遺跡「パキメ」があります。
ここパキメには、マドレ・オキシデンタル山脈の北西にある前スペイン時代の遺跡(住居遺構)で、ソノラ州の一部やアメリカのアリゾナ、ニューメキシコ周辺にも同じ様な遺跡が発掘されており、1つの文化圏(民族圏)を形成していたと思われます。
最盛期には約3,500人の住民が生活していたと推測されておりますが、言語や民族のルーツについて詳しい事は判っておりません。
但し、その文化にはグランチチメカ(ベラクルス方面)民族の影響 --- トルテカ文明の影響が見られる事から、南部から来た民族ではないかと推測されております。

年代は古代(BC 600年〜AD 1150年)、中期(AD 1150年〜1450年)後期(AD 1660年〜1686年)の3段階に分けられており、文明的に発展を遂げたのは中期であり、さらに発展期の“ブエナ・フェ”時代、絶頂期の“パキメ”時代、衰退期の“ディアブロ”時代に分けられます。
“パキメ”時代には、階層のある建造物を幾つも建築し、交易は北部はアメリカ・コロラド南部からメキシコ高原までと広範囲に行われておりました。

発掘によって多くの装飾品が見つかっております。又、寝室のベッドの下からは墓も見つかっており、壷、宗教的遺物、装飾品、髪の毛、ネックレス等が見つかっています。これらは貝殻、銅、動物の骨や木で作られており、中にはトルコ石の使われているものもあります。その他、石版や石棒等の生活道具も見つかっております。
パキメは運河によって引かれた水を都市内に引き込む水路があり、住居内で利用されておりました。都市の下を通る水道管には石が敷き詰められており、各住居の各部屋に水を貯えておく石壷がありました。

「大きな家」という意味を持つカサス・グランデスは、レンガ造りの家が建ち並び、北アメリカとの貿易と文化の発展の歴史を知る事の出来る貴重な街となっています。


● オープン日、時間他
火〜日曜 10:00〜17:00 オープン、 月曜休館
 ※併設の博物館も営業日・時間は同じ。
 ※博物館へのビデオ・カメラの持込みは、不可。

● 主な遺構
1. かまど跡 --- メスカル酒を蒸留するために利用されていた施設跡。
2. 十字の丘 --- 上から見るとクルス(十字架)の形をした遺構。正確に東西南北を指していた。
3. 井戸の家 --- 深さ約12mの井戸を持つ家。水は運河から引かれていた。
4. 頭蓋骨の家 --- おびただしい数の人骨が発見されている。
5. 死者の家 --- 90体もの埋葬遺体が発掘されている。
6. 柱の家 --- 塔の様な遺構が残り、4〜5階まであったと推測されている。
7. 蛇の家 --- 鶏の養殖に利用されていた。
8. コンゴウインコの家 --- 交易用のコンゴウインコが養殖されていた。
9. 供物の家 --- 推定年齢50歳前後の男性が、大きな壷の中に埋葬されていた。
  その下からは、T字型に掘られた穴から30代〜40代の男性と女性の埋葬遺体も発見されている。

● 行き方
最寄空港: チワワ(CUU)国際空港、又はシウダ・フアレス(CJS)空港
所要時間: チワワから車で約4時間30分

● 観光のベスト・シーズン 
年間を通じて可能。ただし冬場はかなり冷え込み、朝晩の寒暖差も激しい。
    
● その他特記・注意事項
砂漠地形の中にあるので、石畳や地道を歩くため、歩きやすい靴をご用意ください。
又、乾季は砂ぼこりよけ(マスク等)があると便利です。