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メキシコ [ United Mexican States ]

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メキシコ / メキシコの鉄人が行く! 旅日記 〜「チワワ鉄道の旅」〜

掲載日時:2007年05月25日

情報提供:株式会社メキシコ観光

メキシコ北部、アメリカに隣接しているチワワ州には全長653kmもある鉄道があることを皆さんはご存知ですか?
チワワ州はメキシコ最北端にあり、その面積はスペインとフランスを足したくらいの
大きさでメキシコ最大の州です。牧場や農業が盛んな土地ですが、最近では産業も発達してきたため失業者も少なく治安も安定しています。

さて「チワワ鉄道」の始まりはチワワ。列車の出発が早朝なので、前日までにチワワに到着しておく必要があります。チワワは牛肉生産が盛んな地としても有名で、米国や日本にも輸出されています。早めにチワワに着いて、夕食は安くておいしいチワワ産牛肉のステーキを。 これもチワワ鉄道の旅の楽しみの一つです。

翌朝はまだ暗いうちにホテルを出て、中心地から車で約10分のチワワ駅に行き、列車に乗ります。列車は予想以上に綺麗でビックリ! 新しく、またとても清潔でした。
朝食を列車の食堂車でとり、いよいよ出発。チワワ鉄道は太平洋に面するシナロア州まで伸びており、世界でも数少ない渓谷を縫う様に移動する鉄道です。
険しい渓谷と山脈を切り開いて築かれたこの鉄道は、当初チワワ州等から産出される鉱山資源を、港のあるシナロア州ロス・モチスまで輸送するために計画されました。しかし建設は困難を極め多くの犠牲を出し、最終的にはアメリカの鉄道王 スティルウェルの協力で20世紀半ばに完成しました。
車窓からの景色はとても壮大で、途中のクリールという駅では色鮮やかな服を着た先住民族の女性達がおります。又、メキシコの先住民族としては有名なタラウマラ族が、岩壁の住居で火を使って昔ながらの生活を送っている様子を見る事が出来るのもこの列車の旅の見所です。

さて、このタラウマラ族、なぜ有名なのかというと世界有数の「長距離走者」民族なのです。彼らは岩山や洞窟、木と土で出来た簡単な小屋等で生活し、食料も狩りと耕作で調達と、とても原始的。彼らが伝統的に行っている競技に、15cm位の木のボールを足で蹴りながら走り続ける「ララヒッパレ」というのがあります。
走り続けるといっても私たちが考える様な距離とは全く違い、丸1日24時間は走り続けます。場合によってはもっと走る時もあるとの事。もちろん、真夜中も走り続けますので、走者の回りにカンテラを持って明かりを灯します。
メキシコシティで毎年行われる国際マラソン大会にも出場していますが、彼らにとって42.195kmは短い距離だそうです。

途中の渓谷はアメリカのグランドキャニオンの4倍の規模を誇る銅峡谷で、赤茶色の層が何十にも重なり、遠方までその景色がつながる風景は一見の価値があります。
特に美しいのはロスモチス発→バランカスの間で、渓谷・山・川等の大自然をご満喫いただけます。運が良ければ野生の動物も見る事が出来ます。又、チワワ〜クリール間はサバンナ状態で、木々が少ない平らな土地とハダカ山が景色の中心になります。
クリールが近くなると1度山に上り、ディビサデロから先は雄大な渓谷を見ながら下り始め、渓谷下を縫う様に移動します。
チワワ鉄道は単線のため、いくつかの駅で交差のための待ち合わせを行いながら、ゆっくり進んで行きます。列車は予定時刻通りには進みませんが、美しい景色は時間を忘れさせてくれるでしょう。

ベストシーズンは10〜12月、気候も良く山も色付き眺めも最高です。もちろん他の時期でも四季折々の風景がお楽しみいただけます。
壮大な景色と大自然の素晴らしさに圧倒される事間違いありません。是非お越しください。