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メキシコ [ United Mexican States ]

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メキシコ / メキシコの鉄人が行く! 旅日記 〜 メキシコの独立運動と独立戦争の舞台 〜

掲載日時:2007年09月21日

情報提供:株式会社メキシコ観光

9月はメキシコ独立記念の月!という事で、今回はメキシコ独立運動の歴史と関係した場所、中央高原「グアナファト」、「ドローレス」、「サンミゲル・デ・アジェンデ」を独立運動にいたる歴史と共にご紹介いたします。

【 独立運動にいたる歴史 】
エルナン・コルテス率いるスペイン軍が、メキシコ・ベラクルス州に上陸したのは1519年の事。その当時、メキシコは13世紀頃から栄えたアステカ帝国でした。
アステカの町は次々とスペイン人に侵略され、1521年、スペインの植民地となってしまいました。
鉱山が多くあるメキシコ先住民は安い賃金で重労働を強いられ、そんな時代が約300年。。。 そんな中18世紀末頃から、ふつふつと独立へ向けての思想や意識が高まってきました。

独立の父といわれる「ミゲール・イダルゴ神父」(MIGUEL HIDALGO)は、1804年、ドローレスに赴任した後、独立の決起計画に参加いたしました。
独立運動を進めるグループは10月2日、ケレタロとサン・ミゲル・デ・アジェンデで立ち上がる決意をいたしますが、その情報が密告者によりバレてしまい、9月13日 ケレタロの首謀者は逮捕されてしまいました。
その情報がドローレスの地にいるイダルゴ神父に知らされたのは3日後の9月16日明け方。深い眠りについていたイダルゴ神父は、激しくドアをノックする音に飛び起きました。
「計画は漏れた!裏切りだ!やつらは全て知っている」との報告を受けたイダルゴ神父が他のメンバーと緊急会議を開いたのは、9月16日 午前2時15分のこと。
イダルゴ神父は「動かなければどちらにしろ、失敗する。行動するには今しかない」との結論を出しました。

1810年9月16日 午前5時、ミサに集まった市民に向かってイダルゴ神父は大演説をし、教会の鐘を打ち鳴らしました。
「VIVA!」=万歳! これがメキシコ人にとって歴史が変わった一言「ドローレスの叫び」です。「我が友、仲間たちよ、我々の自由のときがついにやってきた。自由を刻むときの鐘が打たれたのだ。我々は自由人だ、その自由のために戦わなければならない、私に続け! 我々は自由と国のために戦うのだ!」
「我々の主張は正しく、神はわれわれを守ってくれる、グアダルーペ聖母万歳!」
「VIVA INDEPENDENCIA!」=「独立万歳!」
メキシコの独立運動がここに始まりました。

先住民を含む600人と共に始まった独立運動参加者は日ごとに増え、最終的には2万人以上にもなりました。
独立派の反乱軍はサン ミゲル デ アジェンデを攻略、グアナファトではスペイン政府軍は殻物倉庫アロンディガに立てこもり、時間稼ぎをしました。時間が経てばメキシコシティからスペイン軍の援軍が来て、独立派の反乱軍は不利になるからです。そこで勇気ある反乱軍の鉱山労働者が爆弾を抱え倉庫の門を爆破、この勢いで反乱軍が一気に突入、グアナファトもこうして反乱軍の手に落ちました。
この時、自ら爆弾を抱えて倉庫の門を爆破した人物 ピピラ(PIPILA)は、独立運動の英雄として現在もグアナファト市内を見下ろす丘に彫像が立てられ、今ではここがグアナファトの観光名所となっています。

独立派の反乱軍はその勢いでメキシコシティに向かいましたが、弓矢やクワ程度の武器しか持っていない反乱軍は、1811年、銃で武装した3万のスペイン軍にあっけなく敗退し、イダルゴ神父たち反乱軍の英雄は処刑されてしまいました。

イダルゴ神父らが処刑された後、イダルゴの教え子だったモレーロス(JOSE MARIA MOLEROS)が独立運動を引き継ぎました。モレーロスはクワや槍しか持っていなかった反乱軍を、銃や大砲で武装した軍に組織いたしましたが、そのモレーロスも2年後の1815年にスペイン軍に捕らえられ、処刑されてしまいます。
彼が亡くなった後、その当時は「バジャドリード」と呼ばれていたモレーロスの生まれ故郷は彼の偉業をたたえ、モレリアと名称を変えました。

その間、本国スペインではナポレオンが没落、昔の憲法を復活させたり反動的な政治を行ってきたフェルナンド国王のもとでは反乱が起こり、この期を逃さなかったメキシコ反乱軍は、1821年 イトゥルビデ(AGUSTIN ITURBIDE)がリーダーとしてスペイン軍と戦いました。
そして、独立運動「ドローレスの叫び」から11年後の1821年、メキシコはついにスペインからの独立を勝ち取りました。
その後のメキシコがどうなったかは、またいつかご案内するとして。。。


というわけで9月16日は、メキシコの独立記念日として国をあげてのお祝いとなります。

最後に、この時期にしか食べれない名物料理「チレス・エン・ノガダス」(CHIKES EN NOGADAS)は、チレ=緑、クリーム=白、ザクロ=赤の国旗と同じ色で料理されています。
9月にメキシコに訪れた方は、ぜひご賞味ください。