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メキシコ / メキシコの鉄人が行く! 旅日記 〜 世界的に有名なメキシコ人建築家「ルイス・バラガン」三昧−Part2

掲載日時:2007年10月19日

情報提供:株式会社メキシコ観光

世界的に有名なメキシコ人建築家「ルイス・バラガン」の建築物の詳細説明、第2弾です。
 ※第一弾 http://www.otoa.com/home/news_ditail.php?serial=12512
既にご覧になった方も、まだ見学してない方にもよくわかる「バラガン建築物」の詳細説明をじっくりとご紹介いたします。
読んでるだけで想像力が掻き立てられ、実物を見たくなります。

■ CASA ORTEGA (オルテガ邸)
バラガン自邸の隣に位置する家で、元々彼はこの家に住んでいました。
ここでバラガンのアイデアが色々と浮かび上がり、既存の建物に彼独特の要素が加えられていったのです。随所に見られる色使い、家具、小物、階段等にバラガンらしさが伺えます。
メキシコの住居によくある、外見からは想像がつかない中庭の広さ、自分があの騒がしいメキシコシティにいる事を一時忘れる空間。庭はいくつかのブロックに分かれ、それぞれに名前が付けられています。
現在は個人所有の建物のため、庭のみ見学が可能です。


■ CASA GILARDI (ヒラルディ邸)
『70歳を超えた建築家を若いアートディレクターが訪ね、家を建ててくれと依頼した。
「私は建築家ではなくデペロッパーで、今は住宅を建ててるだけの仕事はしていない」とバラガンは断わったが、3ヵ月の熟慮の後、彼はこの仕事を受ける』(CASA BRUTASより)
そう、この家こそバラガンが最後に作った最高傑作「ヒラルディ邸」です。
バラガンは、施主の言う事を聞きながら仕事をするのが嫌になり、デベロッパーの仕事をする様になったのにもかかわらず、なぜこのヒラルディ邸の仕事を受けたのでしょうか?
それは多分「最後に納得のいく作品を作るためだったのではないか」と推測されています。

まず、外観からバラガン独自のピンク色が目に飛び込んで来ます。
家の中に入りまっすぐ進むと、太陽光線が差し込む黄色い壁の廊下へと入ります。本当に壁が黄色いのか、それとも太陽の光なのか、一瞬とまどってしまいます。
さらに進むと、家の中にあるプール、白・青の壁が私たちを出迎えてくれます。
このプールは単なるプールではなく、ある一定の時間になるとプールの上にある小窓から太陽の光が差し込み、光線が現れ、プールがより一層美しくなる様に工夫されています。壁の青と白、そしてプールの中から出ている赤い壁、太陽の光がこの空間に差込んでいるのを見るとより一層神々しく見えるのです。
これこそバラガンが作った最高傑作と言えるのではないでしょうか。

又、プールからパティオ(中庭)に出ると、薄紫色の壁が眼に入って来ます。
この家の施主であるヒラルディは、土地のど真ん中に存在する大木(ハカランダ)を邪魔に思っていました。もちろんバラガンに家の建築を依頼した際も、バラガンはきっとこの大木を切るだろうとヒラルディは思っていたそうですが、バラガンは大木を切らず、そこをパティオにいたしました。
パティオの壁は薄紫色、それはハカランダの花の色と合わせられています。
花の咲く3〜4月の時期になると、パティオ全体が薄紫に色付きます。

■ CASA BARRAGAN (バラガン邸)
この家にバラガンは40年間暮らし、病床にあった最期まで住み続けました。
家の中に入るとピンク色の同じ形のドアが4つあり、扉から部屋、又、扉と、同じ建物の中で自分の居る空間が変化して行きます。
道に面している部屋は来客待合室。この部屋には唯一道に面して窓がありますが、その窓も非常に高いところに位置するため、窓からは外を見る事が出来ません。
それは何故かといいますと、天(空)から部屋に入る事が出来るのは、太陽と神のみという意味があり、バラガンが神聖なる場所でお客様をお迎えしようという気持ちから作られています。

その待合室に客人が来たら、バラガンは1階(日本でいう2階)の書斎から客人を確認し、壁側だけで支えられている木の階段を降りお迎えいたしました。この階段は、バラガンのみが利用出来た特別の階段です。
他にもお客用の部屋の窓には、カーテンではなく木の扉がカーテン替わりとなっています。4つに分かれている扉を少しだけ閉めてみると、その隙間から十字架の光が壁に当たるという細かい心配りも施されています。

庭は一見パティオ(中庭)の様な感じがいたしますが、草むらの奥を見ると芝生がつながっています。
「あの奥の林にはどうやっていくんだろう?」と思い、よく見てみると端に道がある。ならばこの道を行って見ようと思い進むと行き止まり、とバラガンの家は訪れた人を飽きさせない作りになっています。

ここ「CASA BARRAGAN」は小さな土地ですが、全てを見終えるまでには約1時間近くを要してしまいます。


ルイス・バラガンだけに限らず、キャンベラやリゴレッタ等、メキシコは世界的に有名な建築家を多数排出しており、町中のいたるところで魅力的な建築物を見る事が出来ます。
建築好きの方は、どうぞメキシコにお越し下さい。