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メキシコ / 世界文化(自然)遺産シリーズ18 - グアダラハラのオスピシオ・カバーニャス

掲載日時:2002年06月07日

情報提供:株式会社メキシコ観光

メキシコ革命の地グアダラハラの孤児院の天井に、天才画家オロスコが残した怒りのメッセージ。
魂のフレスコ画「炎の中の男」!!


【グアダラハラのオスピシオ・カバーニャス】 (HOSPICIO CABANAS, GUADALAJARA)

ハリスコ州の州都「グアダラハラ」は、メキシコ中央高原北西部の海抜1,567mの丘陵地帯に開けた都市で、メキシコシティに次ぐメキシコ第2の都市である。
その人口は周辺部を含むと500万人を擁している。

セントロ(中心街)のタパティア広場の東リベルタ市場の北側に、市場の喧騒から逃れるように建つのが「カバーニャス文化学院(孤児院)」だ。
現在は市の文化センターとして、音楽、美術、ダンスなどの教室が開かれ、毎週水曜日には、州立メキシコ民族舞踏団の公演が催されている。

文化学院は1801年、ファン・クルス・ルイス司教によって孤児院として創立された。やがて、リベラ、シケイロスと並び称された天才画家ホセ・クレメント・オロスコがグアダハラに移り住み、この孤児院の天井に壁画を描く。

1936年から1939年にかけて描かれた「炎の中の男」は、彼の代表傑作と謳われ、後々までここに療養する人々を勇気付けた。彼は拝金主義の時代に貧しい人の身になって、この世の不正を批判的な目で見つめた。

天井ドームの内側に沿って描かれた彼の壮大な壁画は、激しい怒りが爆発した鬼気迫るもので、人々を惹きつけて離さない。
オロスコの作品は1910年代の革命に題材を求めたものが多く、この世界文化遺産内では53のフレスコ画を見ることが出来る。

1980年までの約180年間、カバーニャス孤児院は、孤児は勿論、身寄りのない老人、身体障害者、長期療養者など、また時には精神病院や軍隊の駐屯所として使われた。

グアダラハラの街では、トルサが建築した学校や美術館など23の建造物が完全な形で保存されている。17世紀建造のハリスコ州庁舎は、独立の父イダルゴ神父が奴隷解放を宣言した場所だ。

グアダハラの南東約8kmの小さな街「トラケパケ」は、メキシコ独特の音楽「マリアッチ」発祥の地として有名。毎晩マリアッチ・バーやレストランで陽気なメキシカン音楽を楽しむ事が出来る。

またグアダラハラから北西に50km行ったところにその名もずばりの「テキーラ村」がある。マゲイ(竜舌蘭の株)から蒸留されて造られた火の酒「テキーラ」の工場を訪ねるのも興味深い。


■国:    メキシコ合衆国
■登録年:  1997年
■分類:   孤児院 / フレスコ画壁画
■制作時期: 1805年〜1810年
■建設者:  建築家 トルサ
■所在地:  メキシコ中央高原西部ハリスコ州

■アクセス都市、空港:
 グアダラハラ(GDL)
 日本からは、ダラス、またはヒューストン経由 グアダラハラへ。
 もしくは、メキシコシティから国内線利用。