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ドイツ [ Federal Republic of Germany ]

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国別トラブル事例集

ドイツ フランクフルト / 安全対策セミナー行なわれる

掲載日時:2001年12月27日

情報提供:JNTO フランクフルト事務所

過日、日本総領事館など関係者が集まり「フランクフルト・セミナー」が開催されたが、席上行なわれたGluek警察本部刑事局長の基調演説が参考になるので、要旨を収録する。

フランクフルト市は人口65万人の都市であり、金融都市として米国のニューヨーク、イギリスのシティと並んで世界的に知られており、欧州中央銀行をはじめ約400の金融機関が居を構えている。市のもう一つの特徴は、非ドイツ人人口が全体の4分の1を占める極めて国際色の強い都市であるということ。
この65万人の都市住民ならびにここで働く多くの人々を、3,900人の市警警察官が守っている。

当市が現在抱えている一番大きな問題は麻薬問題である。警察の努力にもかかわらず、フランクフルト中央駅周辺では麻薬の取引が絶えない。

この対策のためには、取締だけでは十分ではないので、現実的な対応策として麻薬患者援助箇所を設け、場合によっては麻薬を供給することで犯罪の発生を防ぐ努力をしている(注: 麻薬購入資金目当ての犯罪の発生を防ぐ意味かと思われる)。

次に、旅行者や居住者の方々に申し上げたいのは、トリックを使った犯罪に注意してほしいということである。
具体的には、警察官を装って近付き、隙をみて盗みを働く者がいる。ドイツの制服警官はもちろんのこと、私服の警官も必ず身分証明書を携帯していることを覚えておいてほしい。
また、警官が金銭を要求することは決してない。

犯罪組織については、幸いにしてフランクフルトには存在しない。マフィアもいないので安心してほしい。極右、極左による犯罪も当市には発生していない。
シェンゲン協定の発足により、EU域内の人の移動は自由になり、国境でのパスポート・コントロールもなくなったが、第三国からEU域内への入国については、それに対処するためのデータシステムが整備され、管理されている。

引き続いて、最近米国で起きた同時多発テロに関連してパネリストの問であがった声を紹介しておく:

●出入国の手続きの際は、管理官にできるだけ協力すること。嫌がったり非協力的であったりすると、多くの場合、別室に連れて行かれ徹底的にチェックされる。
●まず自分が狙われると考えよ。
●折々に自らの警戒心を点検せよ。
●事件の際には組織的な対応を。
●被害教訓の共有に努めよ。




※本記事は「国際観光振興会 海外旅行情報」より転載致しました。