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フィジー [ Republic of Fiji ]

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フィジー / フィジーの情勢について (続報6)

掲載日時:2006年12月08日

情報提供:株式会社ユー・ティ・アイ・ジャパン

先般よりお伝えいたしておりますフィジー政府と軍部の対立等による情勢に関する最新情報を、下記にお知らせ申し上げます。


バイニマラマ国軍総司令官が当地時間12月05日の晩、国家の全権掌握を宣言いたしましたが、その後も当地は首都スバを含め平穏を保っており、武力衝突や暴動等は一切発生しておりません。

全権掌握宣言翌日の12月06日、同総司令官はスバ郊外ナブアの国軍本部にて暫定政権の首相として、元軍医のチョナ・セニランガカリ氏(77歳)の宣誓就任式を行い、又、State of Emergency(非常事態宣言)を発令いたしました。
日本のメディアにおいても大々的にこれが報道された様で、言葉だけを見ますと非常に物々しい印象を受けますが、この宣言はあくまで国軍側の主観的、意図的な理由で出されたものです。ほとんどの一般民衆や各種民間団体がクーデターの違法性を唱え国軍の行動を非難する中、国軍に対する反対運動等が蜂起する事を牽制する目的で出されたものとみられています。当然、外出禁止令等も一切出ておりません。

国軍は5日の晩「フィジー・タイムス」紙や「フィジー・テレビジョン」、「フィジー放送」、「FM96」に軍人を派遣し、軍部の行動を批判する、又、ガラセ政権の正当性を主張する様な報道を行わない様に要求いたしました。
又、軍部が検閲を実施しようと試みたため、これを拒否した「フィジー・タイムス」は6日の発行を中止、放送局はニュースの放送を見送る等いたしました。
その後、フィジー・メディア協会と国軍側の話し合いの結果、国軍側が「連絡の不徹底による誤解」があったと謝罪、再び憲法に定められた報道の自由が認められております。

国軍は6日、国会にて行われておりました上院議会を早期解散させ、与党であるSDL党(フィジー統一党)本部に押し入り書類を押収、さらに7日、警視総監代理のモセス・ドライバー氏を含む、暫定政権を非難する発言を行ったとされるガラセ政権の高級官僚6名を罷免いたしました。軍によって追放されたライセニア・ガラセ首相は現在、軍の監視下でスバにいても何も出来ないとの理由から、一時的に故郷であるラウ諸島バヌアバラウ島の村に帰省しておりますが、メディアを通じ、現在でも国民によって選ばれた自分が首相を務める政権が有効であると主張しております。
現地の報道によりますと、オーストラリアのジョン・ハワード首相は、ガラセ首相より軍事介入の要請を受けたとの事ですが、ハワード首相は諸事情を鑑みた上で、そのつもりはないとしております。
一方、大統領の任命権を持ち、政府に対しても影響力を持つGCC(Great Council of Chiefs:大首長会議)もこれらの国軍の動きを認めておらず、オビニ・ボキニ議長はチョセファ・イロイロ大統領が今でも大統領であり、民主的に選出された政府の憲法上の正当性と、法治国家としての秩序を支持・擁護するとの姿勢を貫いております。

当地の現状は、首都スバにおいては若干緊張感が継続しているものの、暴動や武力行使等は一切発生しておらず、町は通常通り機能しております。
当然、それ以外の地区においては軍人の姿もほとんど見られず、引き続き極めて平穏であり、行政機関を始め商店、銀行、ホテルやツアー等の営業・催行も全て平常通りに行われております事をお知らせいたします。
状況を鑑みますと、念のため首都 スバへの訪問はお勧めいたしませんが、フィジーの玄関口であるナンディや、コーラルコースト、ママヌザ諸島等、多くの旅行者が訪問・滞在する地区は、政府や軍部の拠点があるスバから100〜200km以上の距離がある事から、万一の有事の際にも直接的な危険がおよぶ可能性は、過去の例から見てもほとんどないものと思われます。

尚、ナンディの地区にも2箇所ほど国軍のチェックポイントが設けられておりますが、実際に検問が行われている訳ではありません。
お客様を観光にご案内した弊社スタッフによりますと、軍人達は「ブラ!(フィジー語で「こんにちはの意」)、ブラ!」と笑顔で手を振り、お客様も大喜びであったとの事です。又、軍人達は運転手に「ちゃんと仕事しろよ」と言われても、愛想をふりまいていたとの事でした。

又、新しい情報が入りましたらお知らせいたします。