先週末、フィジー諸島北東方面に発生いたしましたトロピカル・サイクロン「トーマス」(Tomas)に関する情報の続報を、下記にお知らせいたします。

通常、当地域に発生した低気圧やサイクロンは、北西方面から南東方面に進むのが一般的ですが、今回はバヌアツ付近で同時に発生し西(オーストラリア方面)に進んでいるトロピカル・サイクロン「ウルイ」(Ului)を含む気圧配置の影響により、サイクロン「トーマス」は、今のところ南南西ないし南という異例の進路をとり、非常にゆっくりとした速度で、勢力を強めながらフィジー諸島東部に接近しております。

フィジー気象局の発表によりますと「カテゴリー４」に発達したサイクロン「トーマス」は、フィジー時間 ２０１０年３月１５日 １６:００(日本時間 同日正午)現在、中心気圧９３０ヘクトパスカル、中心付近の平均風速約４９ｍで、南緯１５.２度・西経１７９.４度付近(タベウニ島の北北東130km、ビチレブ島 スバの北東約345km)の海上を、勢力を強めながら時速約９ｋｍのスピードで南に移動しております。

最新の進路予想によりますと、台風は前回の予想よりもやや東にそれ、明日(3/16)午前 ０４:００にはタベウニ島の東南東５５ｋｍ・スバの東北東２５５ｋｍに、同１６:００にはラケンバ島の西南西８０ｋｍ・スバの西２２５ｋｍに達するものと予想されています。

これに伴い予想進路にほど近いフィジー諸島東部のバヌアレブ島(東部)、タベウニ島、ロマイビチ諸島、ラウ諸島などの地区では平均風速４８ｍ、瞬間最大風速６４ｍに達する可能性があるとみられており、同地域にはサイクロン警報、その周辺地域(バヌアレブ島西部、オバラウ島等)には暴風雨警報、そしてナンディ、ママヌザ諸島などフィジー諸島西部を含む残りの地域にも強風警報が発令されております。(平均風速 20m、瞬間最大風速 30mの強風が予想されています)

現在ナンディは薄曇りで夕日が見えており、雨も風もありませんが、各クルーズ会社は本日の日帰りクルーズを中止、ママヌザ諸島各リゾートへの定期船を運航するサウス・シー・クルーズ社も全便を欠航いたしました。

航空便に関しても、国際線、国内線ともほとんどのフライトが運航を見合わせております。尚、日本からの主な接続便の運航状況は、以下の通りです。

* 昨夜(3/14) ポートモレスビーより到着予定であったニューギニア航空(PX) ８４便(成田便からの接続便)が運航を保留中
* 今朝(3/15)到着・出発予定であった大韓航空(KE) １３７・１３８便はフライトキャンセル
* 明朝(3/16)、グアムより到着後ホノルルへと往復し、明後日(3/17)早朝にグアムに向けて出発予定であったコンチネンタル航空(CO) ９４８・９４９便は、２４時間遅れでの運航を決定

当地では本日、ローカルバスが全て運休、学校は休校、官公庁や銀行、一般企業、商店などもほとんど休業しております。また治安維持のため一部地区では外出禁止令が発令されており、明日(3/16)も同様の状況になるものと思われます。
今後、風雨が強まると電力の供給や通信手段にも障害が出てくる可能性もあります。

現在、ご滞在中の方、またこれからお出かけになるご予定の方は、十分にご注意ください。


※今後の台風の進路、その他情報については「フィジー気象局」のウェブサイトにてご確認ください。
　http://www.met.gov.fj/aifs_prods/65648.html (英語)
　※同図に記載されている時間は「UTC」(協定世界時)となります。フィジー時刻はこれより12時間進んでおりますので、お間違え無いようご注意ください。