最近、ニュース等で『イスラム教』という言葉をよく耳にしますが、その中身についてご存知の方は少ないかと思います。
今回から数回にわたり『イスラム教について』、そして『イスラム暦の祝祭日について』簡単にご案内します。　


■ コーランについて

コーランと呼ばれるイスラム教の聖典は、預言者(予言者ではない)モハメッドにより語られた神の言葉をまとめたものです。

両親を亡くし叔父に育てられたモハメッドはその正直さや聡明さから、メッカの有力な商人であった、とある寡婦に結婚を申し込まれます。その後、持ち前の才能と人格で彼女の事業をどんどん伸ばしていき、周囲の人々にもとても尊敬されるようになりました。

妻、財産、名声。望むもの全てを手に入れたモハメッドですが、ある日ふとむなしさを感じ、それ以降、山の中の洞窟にこもって瞑想にふけるようになります。

そんな彼を訪れたのが大天使ガブリエルでした。
「(神の言葉を)読め」　と言うガブリエルに導かれるようにしてモハメッドによって語られた唯一神アッラーの言葉、これがコーランです。

以前日本のどこかの街で、コーランがビリビリに破ら棄てられて、それを見たイスラム教徒達がとても怒っているということがありましたね。
イスラム教徒以外にはただの本でしかないコーランは、イスラム教徒にとっては神の言葉同様なのです。　
従って、神の言葉をバラバラに破り捨てられたと思ったイスラム教徒が激怒したというわけです。

また、厳密にはコーランとはあくまでもアラビア語で書かれたものだけを指し、他の言語に訳されたものはコーランではなく、“コーランについて書かれた本”に過ぎないと言う人もいます。
世界一のベストセラーブックはコーランであるという説もあります。　

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■ コーランの教えの基本 “5柱” について


イスラム教の聖典＝コーランの教えの基本となっている “5柱 − 信仰、礼拝、喜捨、ラマダン、巡礼” についてご案内致します。


1. 信仰 (シャハーダ)

「アッラーのほかに神はなく、モハメッドはアッラーの使徒である」　という信仰告白がイスラム教徒の信仰の基本。
唯一神のアッラーは絶対の存在で、そのアッラーの言葉を伝えるのが天使です。

預言者は天使を通じて伝えられた神の言葉を人々に広めるのが役目です。
コーランには、モハメッドを含む28人の預言者の名前が記され、アダム、ノア、ダビデ、モーゼ、イエスなど、私達にも馴染み深い名前が見られます。(イスラム教においてイエスは預言者の一人にすぎず、神ではない)

イスラム教、キリスト教、ユダヤ教は同じ根っこから派生した宗教であり、また、同じく3つとも一神教であるため、ユダヤ教、キリスト教はある程度認めていますが、多神教であるヒンズー教や仏教などはイスラム教義上、異端とされます。



残り4つの教えにつきましては、次回以降、ご案内させていただきます。



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