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エジプト [ Arab Republic of Egypt ]

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エジプト / ライオンがエジプトで初めてミイラにされたのは!

掲載日時:2004年02月03日

情報提供:エジプト大使館エジプト学・観光局

ツタンカーメン王に仕えていた女性の墓から古代エジプト人により初めてミイラにされたライオンが発掘されています。

エジプトでは神聖な動物として崇められていたライオンの生殖や埋葬については、古代を物語る資料に記載されていましたが、今日にいたるまで誰もその実体を発掘してはいませんでした。
雄のライオンは学術的には大きな動物に分類され、昔からその骨で存在性が解っていました。この発見に関する詳細は「ネイチャー誌」に掲載されています。

ライオンは北エジプトのサッカラにある、紀元前1430年に埋葬されたツタンカーメン王の乳母、マイアの墓で発見されました。しかし紀元前末の数世紀にこの墓は人間、さらには動物、ミイラにされた猫を埋葬するため再度使用されました。
フランス考古学者アライン・ジヴィエ氏、セシル・カラウ氏、アナイック・サムズン氏は2001年11月に大きな猫の遺骨を発見していますが、実際にはミイラにされたライオンの骸骨であることが判明しています。

■ミイラの埋葬
歯、とくに毛皮の分析からライオンはとても長生きをして、飼育されていたに違いないと思われていました。
スワンシーのウエールズ大学の古典と古代史のアラン・ロイド教授は、BBCニュースの取材に対して、「ライオンはエジプトの国王と長い関わりを持っていた生物です」と話していました。
紀元前末の数世紀、エジプトは、イラクや今日エジプトやスーダンの一部と成っているヌビアやギリシャからのよそ者たちに侵略されていました。
動物を崇拝することは、こういった外部からの侵略者に古代エジプト人の存在性を誇示していく手段だったかもしれません。ロイド教授は、「私はこれをエジプト人の愛国心の表れとして考えるべきだと思う。」と述べています。

■猫と犬
碑銘はライオンが特別な動物用区域で飼育され、神聖な墓地に埋葬されていたことを示しています。けれども今のところ何も発見されていません。ロイド教授は、「1970年代初期にエジプトでライオンのミイラが発見されたという噂を聞いたことがある。しかし、ライオンのミイラを発掘した人は興味を持っていなかったらしく、発掘した場所さえ忘れてしまった。」と、述べました。
紀元前末の数世紀の間、ライオンが埋葬されたサッカラの遺跡地帯は、猫の姿をしているバステト神に捧げられた地でした。
ライオンは頭を北に向け、体を東向きにして石の上に横たわって発見されました。
骨の大きさはこれまでに記録されている雄ライオンの中で最も大きなものでした。
猫に加えて古代エジプト人は犬、鳥、蛇、猿もミイラにしていました。