不景気だと言いながら、相変わらずバンコックをはじめ、若い日本人のタイ旅行が増えている。
大学卒業を間近に控えた2月などには、いわゆる卒業旅行のシーズンであるのを実感する。
というのは、トラブルに巻き込まれ若い声で当事務所に電話を掛けてくるケースが目立つからである。

特に、「○○○ドルでオーダースーツを作ってしまったのだが、自分は騙されてないでしょうか?」という相談などが多い。それらの相談を挙げられた店の名前はみな同じなのだ。そして明らかに騙されて不当に高い値段で買わされている。

調べてみると、『地球の歩き方』にも注意事項として記載されている。
曰く「行く先々で、一見偶然を装って会話を交わしてきた別々のタイ人から、同じ内容の買得情報を聞き、最後にはもしかしたら本当なのかも、とつい行ってしまう」という。

事前にこの記事を読んでいたにも拘わらず被害に遭った人もいるのだから、何をか言わんである。

改めて日本人のおめでたさに感心したり、若者の懐具合の豊かさに日本の経済力を実感したり、こちらの心境は複雑である。


洋服と並んで相変わらず多いのが宝石購入でのトラブルである。
知らぬ他国で、なんの縁もゆかりもない人問が旅行者の得になるような心遣いをしてくれるものだろうか?
こんな幼稚園児でも分かる常識が働かなくなってしまう状態を、そろそろ卒業してもらいたいものである。



※本記事は｢国際観光振興会 海外旅行情報｣より転載致しました。