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キューバ [ Republic of Cuba ]

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キューバ / 世界文化(自然)遺産シリーズ20 - トリニダとロス・インヘニオス渓谷

掲載日時:2002年08月05日

情報提供:株式会社メキシコ観光

富と負、光と影が交錯した 古都の街のたたずみ。
黄金郷を求めたコンキスタドール(支配者たち)の夢のあと

【トリニダとロス・インヘニオス渓谷】
TRINIDAD AND THE VALLEY DE LOS INGENIOUS


キューバの首都ハバナから南東へ約280km、カリブ海の海岸線から少し内陸部に入った所に位置する古都トリニダ(トリニダード)は、金鉱を探していたスペイン人ディエゴ・ベラスケスが1514年に建設した街である。

結局、付近の山脈や川から金脈は見つからなかったが、近郊のロス・インヘニオス盆地に砂糖工場が造られ、17世紀になってトリニダは砂糖やタバコ、奴隷貿易の一大中心地として発展していった。
西アフリカから連れてきた黒人を酷使して18世紀後半にトリニダには巨万の富が集積し、街はキューバ有数の大都市になる。
 
最盛期には56のサトウキビ工場を有し、その人口は4倍に膨れ上がり約3万人になったが、その半数は黒人奴隷が占めていた。
トリニダはエルドラド(黄金郷)を求めた欧州の支配する者と、一生過酷な強制労働に耐える支配される者、黒人奴隷との「光」と「影」2重構造を有する街として19世紀半ばまで繁栄した。

石畳の落ち着いた佇まいの古都では、サトウキビの大農園を経営した農園主のオルティス邸(現在は考古学博物館)、ブルーネート邸(現在はロマンティコ博物館)、カンテロ邸(現在は市立博物館)など、昔日の栄光を映し出す屋敷群を見る事ができる。

市内の中心はサンティシマ広場。ここを中心に石畳の道が延びている。
見所は広場の周辺にかたまっているので徒歩での観光が可能だ。
上記の博物館以外には19世紀に再建されたサンティシマ・トリニダ大聖堂、チェ・ゲバラとカストロの革命の歴史が見られる「革命博物館(元修道院)」など。
郊外14kmにあるインヘニオス盆地の農園には監視塔兼鐘塔「イスナーガの塔」がある。
この44mの塔から黒人奴隷のインヘニオス盆地からの逃亡を監視した。
またキューバの特産品「葉巻工場」を訪ねて見るのも良い。「モンテクリスト」や「コイーバ」などを、無駄口も叩かず黙々と巻いている生産工場を見学出来る。 



■国    : キューバ共和国 
■登録年 : 1988年
■分   類 : 町並み 
■建設時期 : 1514年
■建設者 : ディエゴ・ベラスケス(スペイン人)
■所在地 : キューバ中南部、ハバナの南東280km
■規 模 : トリニダ市街とインヘニオス盆地のサトウキビ農園施設
■アクセス都市、空港 : ハバナ(HAV)から陸路約4時間。
ハバナへはカンクン乗り継ぎで同日着可能。
またはメキシコシティー1泊。