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ウズベキスタン / 紙のシルクロード 第7回 〜 紙作りの今昔 〜

掲載日時:2011年09月22日

情報提供:ウズベキスタン政府観光局

サマルカンド、コニギル・メロス工房でのサマルカンドペーパー復興事業でご活躍中の金刺潤平氏による「紙のシルクロード」、第7回目です。
今回は、紙を作るにあたって重要な「原料」についてのご紹介です。



第7回 〜 紙作りの今昔 〜
紙は、水に分散溶解させた繊維を平面状に凝集させ乾燥した物である。
その工程は、素材となる植物の前処理、蒸解あるいは煮熟、叩解、溶解、抄造(紙)、圧縮除水、乾燥と進んで紙になる。
現在行われている和紙の工程は、非常に特殊で9世紀頃に確立されたという。
和紙は、原料となる植物の表皮近くにある靭皮繊維を長い状態のまま取り出し、水に分散溶解させる。長い繊維は、水の中でお互いに絡み合って解けない。そこで、繊維間の緩衝材として粘材を水に加え、分散溶解させる。繊維を粘材無しで溶かすためには、短く切断させてしまうしかない。
9世紀以降に東洋で作られた紙以外、唐紙、サマルカンドペーパーを始め欧州紙や近代的な製紙工場で作られる紙のほとんどは、繊維を必要な大きさに切断して原料としている。
この原料処理と溶解のさせ方で抄紙方法は、大きく変わる。和紙に用いられる長尺の繊維は、常時、道具である簀桁を揺らし続ける流し漉が用いられる。それ以外は、道具に微振動を加える程度で大きく揺すらない溜漉きが用いられる。
抄紙方法と筆記用具とのマッチング等を考えれば、近代製紙の原型は欧州に求められ、更にそのルーツは、8世紀のアラブを経由して12世紀にはスペインにまで渡ったサマルカンドペーパーである。

(文: 金刺潤平)

400年前のコーランに使用されていた紙の繊維400年前のコーランに使用されていた紙の繊維

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